速水涙子

昔々ふたりの女の子が死んだ それは呪いか、それとも 私は知っている その死が何によってもたらされたかを だからこそ―― そんなものは怖くない そういうことに、なっている 【掲…

静かな午後の昼下がり 今日も読経の声が聞こえてくる あの人の声かしら なんて思ったのは束の間のことで すぐにそんなことはないと思い直した 【掲載サイト】小説家になろう／NOVE…

それは人が足を踏み入れてはいけない領域 道を見失えば容易には戻れず 何が起こるかはわからない 行く手に佇むのは本当に人―― なのだろうか 【掲載サイト】小説家になろう／NOVE…

虚ろな穴は災いを呼び寄せる この家に巣食うのは、虫か、鬼か、あるいは―― 【掲載サイト】小説家になろう／NOVEL DAYS／note／Tales ＊連作短編「古木守抄」として…

迷い込んだ店で 彼女は特別な力を持つ石と出会う 石に隠された秘密 不穏な影 目的を果たすため石を手にした彼女は 災いの渦中へと飛び込んでいく この古都で真実を手に入れるために …

工事現場で起こる奇妙なできごと 何もないのに大きな音が鳴れば どこからともなく石が落ちてくる 誰もいない部屋には火が灯り 哀れな死には笑い声が轟く これらはいったい誰のせい？ …

幼い頃の記憶がない「私」は ある日思いがけない真実を知る 「私」は誰なのか 「あなた」は誰なのか 自分の存在を問いかける すこしふしぎな物語 ＊2020年に公開した小説を 改題…

屍体が出るたびに桜は狂い咲き 周辺では頭のない化けものがさ迷う 彼女たちを殺したのは誰なのか その真相を探るため 私は山中へと足を踏み入れた 【掲載サイト】小説家になろう／NO…

藤の花が咲き誇るその家では 盲目の老人がひとり いるはずのない何かと暮らしていた 行方知れずの妻はどこへ行ったのか 死期を悟った老人は静かに語り出す 【掲載サイト】小説家になろ…

約束の日を待たずに あの人はいなくなってしまった たとえ一度きりだとしても またあなたと会えるなら 私はそれを願うだろうか たとえその先に 二度目の別れが待っていたとしても？ …

消えてしまった故郷 時を経て今は無きその村跡を訪れた僕は かつてこの場所で起きた 奇妙なできごとを思い出していた ここには今でも そのときの心が眠っているのだろうか 【掲載サイ…

老女の孤独な生を追う中で 私は彼女の遺品を手に入れる 奇妙なことが書かれた日記帳 捨てても戻ってくる人形 血塗れのひしゃげた指輪―― それらはやがて どこへ行きつくのだろうか …