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『大統領のケーキ』

イラク映画。フセイン大統領の独裁政権下のイラク。

すごい映画でした。良作だと思う。
でもとてもつらい映画でもあった。

観ている間中思った。
子どもたちに、こんな思いをさせる世の中にしたらダメだ。
子どもたちに、「大統領に魂を捧げます」とか大声で唱和させるような教育をしたらダメだ。

子どもたちの日常は、その家族の日常は、あまりにも理不尽で満ちているのに。
それでも、大統領を讃えよという世の中。

あまりにも理不尽なのに、その理不尽さに対して、子どもたちは何一つ言える立場にない。あまりにも無力だ。
その中で精一杯、日常を送っている。
町の大人たちは、誰も余裕などなく、子どもたちに対して、あまりにも冷たい。むごいくらいに冷たい。

キアロスタミ監督の『友達のうちはどこ?』を見たときもそうだったけど、大人たちの余裕のなさ、子どもたちへの冷たさ。

救いは、ただ1人の人物と、主人公のラミアが、常に抱きかかえている、おんどり。
このおんどりヒンディがめっちゃ可愛い。
袋に入って抱っこされている間、じっとおとなしくしていて、「こここ」とも言わない。
時々、ラミアの気持ちを汲んだかのように、「こけ~っ」と鳴くときもあるけど、じっと賢く黙っている。
ニワトリなんて、四六時中「ここここ」言ってるもんだと思っていたので、驚いた。
ニワトリを可愛い、と思ったのは人生初だと思う。
賢くて可愛い子だった。

理不尽なことに対して声を上げることすらできない世の中の恐ろしさ。
それがまちがっていると、誰も言わない言えない世の中の恐ろしさ。

この映画が実話に基づくものであり、役者さんたちは、ほぼ演技が初めての素人の方たちだったという話にも驚いた。
















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