音楽会の練習を体育館でやっていた、チャイルドだった私。
よく分からない楽器を担当し、一心不乱に棒でよく分からない楽器を叩いていた。
が、手が滑って棒を落としてしまった。
それは遥か下方へ落ちて、もう手の届かない場所へと消えていった。
まずい。困ったな。
落ちたと言うには間が悪すぎる。だって先生がめちゃくちゃ怒ってる。
ええいしかたない!
こうなりゃ棒と同じ色をした人差し指で乗り切ってやる!
だって叩く意気込みだけは、自分あります!
右、左、右、左。
よく分からない楽器を人差し指で叩く。
が、秒でバレた。
「なんやそれは!」
と、タクトで刺されて両目を閉じたあの頃の私をときどき思い出す、夏。