「「「お邪魔しまーす!」」」
ヨルムの家に、4人の元気な声が響いた。
ヨルム「いらっしゃい!どーぞどーぞ、入って~」
ネイン「お邪魔します。うわぁ✨キレイなお家!」
ムート「だね。趣味良いなぁ」
リヤン「私、この雰囲気好き~」
リス「分かる~!」
ヴィーシュナ「まあ座りなよ~」
ヨルム「それ私の台詞じゃない?」
ヴィーシュナ「それは確かに」
「「「こんちはー」」」
リヤン「お?」
ネイン「この声は?」
ラルム「来たで~」
ペルシカ「やっほー」
アーシャ「お邪魔しまーす!」
ヴィーシュナ「ラルム、ペルシカ、アーシャ!」
ヨルム「いらっしゃーい」
「「やっほー」」
アーシャ「おぉ!キルシェ、カウル!」
キルシェ「お土産持ってきたよ~!」
ネイン ムート「「私たちも!」」
リヤン「はい!」
ペルシカ「これ!」
リス「どうぞ!」
ラルム「息ピッタリすぎるやろ」
ヨルムの家に、笑い声が響いた。
今日はお休みの日。
全員で、ヨルムのお家で遊ぶことになったのだ。
ヨルム「おおお!こんなにいっぱい!食べきれるかな」
ヴィーシュナ「いけるんじゃない?11人もいるんだから」
ラルム「それはそう。でもウチめっちゃ食べるで?」
キルシェ「いいじゃん!はい、ファンダー買ってきたよ!」
カウル「おおおおおー!キルシェ最高!」
ペルシカ「出た。カウルのファンダー大好き教」
リス「なにその、ファンダーずっと飲めそうな幸せすぎる宗教は」
カウル「入る?今ならファンダー1本無料!」
リヤン「広告か!」
ヨルム「まあまあ座ってよ!」
ヴィーシュナ「アリカーやろうよ!」
キルシェ「あ!やるやる!プロの本気を見せてやるぜ!」
ラルム「キルシェ、アリカーになったら性格変わるけんなぁ」
キルシェ「ガチ勢なんで!最近やってないけど」
リス「やってないんかい」
ラルム「ウチもやる~」
ヴィーシュナ「私も私も!」
ラルム「最強決めるかぁ?」
キルシェ「ども!あざした!」
アーシャ「まだやってすらないやろ!」
アリカー対戦
キルシェ「うおぁぁぁ!!!アーシャ強すぎるぅ!!!」
アーシャ「うわぁ~どや~」
ラルム「極めてるやん」
ヴィーシュナ「うわーーーー!!!落ちたーーー!!!」
キルシェ「どんまい!」
ヴィーシュナ「1位が何言ってんやー!」
(ヴィーシュナがキルシェに黄色甲羅を当てる)
キルシェ「うわぁぁぁ!やめろやぁ!」
アーシャ「ホントに誰やねん」
ヨルム「ほれ、人格変わったでしょ?」
リヤン「なんか楽しいねぇ」
アーシャ「よっしゃー!いちばーん!」
ヴィーシュナ「アーシャ強いよー!」
アーシャ「いやぁ、やり込んでますんで!」
キルシェ「くぅー!負けたー!」
ラルム「次は誰やる?」
リス「私やりたい!」
ネイン「私も!」
ムート「リヤンもやろうよ!」
ヨルム「あと1人できるよ!誰かやりたい存在いる?」
「楽しそうだねぇ。私も混ぜてよ」
ネイン「…うん?」
11人が後ろを向くと、そこには白黒のローブをまとったあの子が袋を持って立っていた。
「「「うわぁぁぁ!?」」」
「そんなにビックリしないでよ」
キルシェ「し、白黒の子じゃん!いつ、どこから入ったの!?」
「今さっき、ドアからフツーに入ったよ。お菓子とジュース持ってきたからさ、私も混ぜてよ」
ネイン「一緒にゲームする?」
「やる!」
白黒の子は、ネインたちの輪に入ってゲームを始めた。
ヨルム「まあいっか!」
みんな笑っている。
再びアリカー対戦
リヤン「ひぇぇ~…ここどこぉ?」
リス「だ、大丈夫!?リヤン逆走してるよ!?」
リヤン「分かんないよぉ…って、ネインと白黒ちゃん強すぎるでしょ!1位と2位じゃん!」
「やるのは初めてなんだけどなぁ」
ネイン「マジで!?」
ヨルム「みんなー!お菓子食べようよ!」
リス「食べる食べる~!」
ペルシカ「リス、お菓子好きだもんね~」
リス「お菓子があれば世界が平和!どんな戦争だって終わらせられるよ!」
ヴィーシュナ「それは言い過ぎでは?」
アーシャ「お菓子が美味しいのは認めるけどね」
「このお菓子おすすめだよ~」
ラルム「お、マジで?…うま!!!」
「だろー?」
ヨルム「誰かクマブラやろー!」
ペルシカ「やりたい!やりたい!」
ラルム「うひほやふー!(ウチもやるー!)」
「飲みこんでからしゃべろうね。あ、私もやりたい!」
キルシェ「キルシェもやる!アーシャも!」
カウル「チーム戦にしようよ!」
クマブラ対戦
キルシェ「はっ!やっ!とやっ!」
ラルム「うおりゃぁ!!!連打ァァァ!」
キルシェ「ギャー!!!やられたー!」
ラルム「どやー!」
「とりゃ」
ラルム「やめろぉー!」
ペルシカ「秒で形勢逆転しとるやん」
「うーん、難しい」
アーシャ「オーバーキルしながら何言ってんの!」
「あはは~」
白黒の子は、狐の面の下で笑った。
ゲームをして、お菓子を食べてジュースを飲んで、あっという間に夕暮れ時になってしまった。
ヨルム「もうそろそろ帰る時間だね」
リス「帰る時ってなんか寂しくなるよね」
ペルシカ「だよね~」
ラルム「今日は楽しかったで」
リヤン「ありがとう!」
カウル「また明日ね!」
アーシャ「また遊ぼうね!」
「お邪魔しました!」
キルシェ「じゃ、またねー!」
ヨルム「バイバーイ!また明日!」
ヨルムの家から出て、リヤンは白黒の子と共に他のみんなと別れて帰った。
リヤン「そういえば…結局、あなたは誰なの?」
「うん?私?」
リヤン「そうそう。一体あなたは、どうして私たちを助けてくれたの?」
「どうして、と聞かれましても…私が、そうしたいから?」
リヤン「あなたが、そうしたいから?」
「うん、まぁ。理由は何かと色々あるけど…まあ、言わないでおくよ」
リヤン「えー?」
「ふふふふっ」
白黒の子は、狐面を少し上げた。
ほんの少しだけ、表情が見える。
不思議な笑顔を浮かべていた。
確かに実体なのに、なぜか透明感のある、淡い笑みだった。
「…さて、そろそろお別れだ。気をつけて帰ってね」
リヤン「え?あ、うん」
その時、目も開けていられないほどの突風がふいた。
リヤン「うわ!すっごい風…大丈…って、あれ?」
リヤンが目を開けた次の瞬間には、もう白黒の子はいなかった。
リヤン「本当に不思議で、神出鬼没な子だなぁ。…でも、楽しかったからいっか!」
リヤンは笑って、帰路についた。
おしまい