この国では六歳になると、「赤い実」を食べて異能を授かる。 それは祝福であり、選別でもあった。 幼なじみはヒーローになり、国に仕える道を選んだ。 私はならなかった。ただ、それだけのはずだった。 ――けれど、私が知らないところで、何かが動いていた。
7月12日に更新