どーもっし! 雨愁軒経です。
今年も4月1日に雪がぱらつくという、エイプリルフールであれよと目を覆いたくなるようないつもの山形の春を味わえました。皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
私は前回お話しした職場の試験に向けて取り組んでいるところなのですが、7月までに覚えればいいとされていたはずの知識が、実は今月中にも要求されることが判明しまして。絶賛泡食っております(白目)
特に社則系が曲者で。常日頃から理解・実践をしていても試験では正しく原文ママで解答しなければならないのですが、この文章が気になること気になることwwww
たとえば社員の行動規範○条みたいなものに『明るい元気な挨拶』とあるんです。間違っちゃいないんだろうけど「明る"く"元気な」の方が自然に思えます。ちなみにこれが出題された場合「明るく~」と書くと減点だそうです。マジかよとwwww
TOかKUか、IかKUか。TOKAIKA気になるぅ~♪
小説を書く際には、アイデアのとっかかりとなる雑学や題材となるものの資料など、1から10まで読み込んでいたらキリがないので、割とざっくり頭に留め置いて、必要に応じてリファレンスすることが多いんですよね。
まさかここに来て物書きマインドが足枷になるとは思わなんだ……ニュアンス合ってたらOKにしません? ダメ?
さて。
君物大賞こと「きみの物語が、誰かを変える。小説大賞」ですが、色々とざっくり(そう、ざっくりww)見てきました。
最近一週間があっという間に過ぎてしまうので、スケジュールの折り合いは頭捻って腹を括らなければならないのですが、コンテスト自体は中々面白そうでワクワクしております。
https://novema.jp/contest/starts/sbunko-kd-2025第四回のコンテストテーマは「きみが本当は誰かに言いたかったこと」。
これは前回の「きみがずっと言えなかったこと」から変更をしたそうですね。理由としては以下の通り。
>>ほとんど同義なのですが、物語の中で主人公が本当の想いを吐き出す“誰か”の存在、出会い、邂逅を促す意味で、変更しました。
はじめは↑の説明を読んで「ど、どういう意図っすかね?」状態だったのですが、昨年第3回の受賞作を読んでみて納得しました。
一言でいえば「本音」を求めているんだと思います。世界への恨みつらみだったり、センシティブな破滅願望だったりという暗いテーゼではなく、「今はこんな状態でも、本当は私だってこういう風に生きたいの!」という願いの部分なんですよね。その本音を隠していた氷が「誰か(ヒーローorヒロイン」と出逢うことで解かされていく青春物語が求められているのではないでしょうか。
それを踏まえて昨年の大賞、TSUTAYA賞の二作を見てみましょう(※ネタバレ注意)。
○大賞『朝が来る前に、君の素顔が見てみたい(書籍化時改題『君と見つけた夜明けの行方』)』
https://novema.jp/book/n1720344○TSUTAYA賞『未完成な世界で、今日も君と息をする。』
https://novema.jp/book/n1707885大賞の『朝が来る前に~』は、人の顔が認識できない症状を持ち、人生ごと諦めていたヒロインが、主人公と接していく中で「顔が見てみたい」という願いを吐き出すことが主軸です。「顔」ではなく「素顔」なのもポイントではあるのですが、一旦割愛。
改題時タイトルを見ても、編集部は、願いを伝えて結ばれた「夜明け」の先を推したいのだということがわかりますね。
またTSUTAYA賞の『未完成な世界で~』も、記憶喪失によって「前はこういう子だったのにね」と腫れ物扱いをされていた(息苦しい世界だった)主人公が、記憶喪失前も今もまとめて包んでくれるクラスメイトとの交流の中で「息をしたい」という願いを吐露するというお話です。
この二作に共通する重要なポイントとして、ブルーライト系にしては珍しく(?)、主人公もヒロインも死なないことが挙げられると思います。
こちらから第三回の最終選考候補作も見られるのですが、
https://novema.jp/contest/starts/sbunko-kd-2024これらは(決してくさすわけじゃないんですけど)死別だとか、重い家庭環境への悲鳴だったりとか、作品を読むことで得られる「泣き」の感情が「悲しさ・切なさ」なんですよね。
その点で受賞した二作は、感情のポイントが「喜び」に寄っているように思います。観客視点では「結ばれたねぇ。良かったねぇ。幸せになるんだよぉ」とハンカチを目に当てるみたいな。
そして、先ほど一旦割愛した『朝が来る前に~』の「素顔」について。
主人公ははじめ、自殺スポットで会ったヒロインに、自分は双子の弟の方だと話します。色々と背景はあるのですが、要は学校での主人公はスクールカーストから弾かれないように仮面を被っていたんですね。それで素を見せたくなくて、つい嘘をついてしまったと。
ヒロインの症状、主人公の嘘。これらの要素が合わさって、本作は二段オチの構成となっております。さすが大賞っすね微炭酸先生!(揉み手)
まとめると。今回の「君物大賞」で目指すべきところは以下の通りです。
1.「言いたかったこと」は、夜明けに繋がる本音であること。
2.基本的にキャラを死なせない。きちんと明日の朝を共に歩かせること。
3.構成は二段階オチまたは同時解決。主人公とヒロインそれぞれの「言いたかったこと」を解決させること。
以上の3点を確実に踏襲した作品を目指すのが望ましいと思います。あ、これらは原文ママで覚えなくていいです(白目)
んでんで。
ここで今回のタイトルである「杵」の話になります。
もう一度URLを張るのですが、前年受賞の2作を、冒頭だけでいいのでちょろっと眺めてみてください。
○『朝が来る前に、君の素顔が見てみたい』
https://novema.jp/book/n1720344○『未完成な世界で、今日も君と息をする。』
https://novema.jp/book/n1707885……文章、けっこう濃いめじゃないすか?
概要欄を見ても驚きますよ。『朝が来る前に~』は9万7千文字を24ページ(話)で組んでいるんです。『未完成な世界で~』に至っては、9万文字に11ページ(話)です。
えぐいですよね。とてもWeb小説とは思えない(※褒めてます)。
つまり、Webの定番である1話あたり2千字程度の文量ではなく、前提から文庫を意識したペース配分でシーンを繋ぐ必要があるわけです。『ムカサリ』や『遺顔絵師』の文章量がそうですね。
また文中の表現についても、かなり攻めていいと!
なんなら『遺顔絵師』や『RD令嬢』で出していたような雨愁節では甘いくらいに書き込みがなされています。
多分、『アマツへグイ』くらいやっちゃっていいと思います。もっともあれはヒロイン視点の心理描写が一人称の口語体なので、毛色は変えなければなりませんが、比喩表現の糖度はだいたい合っているはずです。
しかもしかも!
『朝が来る前に~』を読み進めていただくとおわかりかと思いますが、ヒロインの音子ちゃん、言い回しがちょいちょい雨愁ヒロインっぽいんですよね。『遺顔絵師』の合歓と、『アマツへグイ』の冬子を足して2で割った感じ。いっぱいちゅき。
正直「このヒロイン造形で通るの!?えっ、いいの!?マジで!?いいならやるよ!?」とテンションがブチ上がりました。
ここまでお膳立てされて大人しくしていりゃ名折れだと。
そんなわけで、臼と杵を物置から引っ張り出して素振りをしなければならなかったんですね笑
ちなみに、『アマツへグイ』は投げられません。
かつての失恋がきっかけで仮面を被るようになった主人公と、ある出来事から血液嗜好症となったヒロインとが出会い、「本当は素直に愛したい」という願いを告白しあうという全体像はピッタンコカンカンなんですけれど、本作は「教師と生徒」という関係性が前提としてあるため、青春小説じゃないんですよねえ。
また最終選考候補作に『サヨナラをいいにきたんだ』という作品がありまして。こちら『弁離士』という『地縛霊に「さよなら」を言わせて未練を断つ仕事』が題材なんですね。
ええ、もう、しっかりばっちり『遺顔絵師』ですよ。
ただ『遺顔絵師』は現在ホラミスにエントリーしちゃってますんで、これも投げらんないッスね。何より合歓は高校卒業済みなので青春小説とはズレますしwwww
とはいえ、これまでやってきたことがかなり近い線行っていたということは、強みとして胸張っていきたいなと思います。
……問題はただ一つ、時間の確保だ(真顔)
いやほんと、思っていたより試験の要求値が高くてびっくりしています。ぶっちゃけここだけの話、周りの人を見ていると「本当にこの試験通った?通ってそれ?」というような仕事ぶりの人が結構な割合でいるんですよ。
ただ今回の私の場合、これまでは執筆を言い訳に打診を蹴って来て、例のことを機に「先生、バスケがしたいです……」とお願いした立場なので、手ぇ抜けないんですよねwwww
ありがたいことに上司たちからは「お前なら大丈夫だろ」と太鼓判をいただけているので、そこを裏切るわけにもいかないと。
だからといって小説をおざなりにしていいというわけでもないので……
頑張ります。
10日(木)にもまた県外へ行くので、その道中でプロットは詰めてしまいたいですね。
ではでは!!