木園　碧雄

雑務に追われるしがないサラリーマン、佐原一樹は神社で2匹の幼虫を見つけて飼い始めるが――

フリーライターの上杉は取材先の過疎地へ赴く道中、奇妙な生き物を轢いてしまう。その外見を取材先の老人に話したところ「それは"はしぇくぐり"だ」と呑気な返答。"はしぇくぐり"は未知の…

フリーライターの取材に応じた、とある成功者の未亡人。 彼女が亡き夫と共に体験した、世にも悍ましい体験とは？

さる大名の蔵から「お家の存続にかかわるシロモノ」を盗み出そうとした手練れ三名は、そろって謎の番人に屠られてしまう。それから数日後、蔵のそばにある大樹に、巨大なミノムシがぶら下がる…

時は平成。学生時代の恩師に別荘のインフラ点検とメンテナンスを依頼された「私」は、寂れた無人の別荘で快適な一夜を過ごす。 しかし、翌朝ベッドの隣に置かれていたのは、不気味な洋風の黒…

殺人を副業としている猟師の弥三郎は、御用商人「今津屋八右衛門」の殺しを請け負った。 持ち前の殺し道具と相棒の茜丸を使い、巧みに殺しを遂行したものの、死に至らしめたはずの八右衛門が…

難攻不落の豺城(やまいぬじょう)を攻め落とす為、近隣の里から三人の若者が駆り出された。 さっそく場内に忍び込んだ彼らは、場内の攪乱と共に秘密の任務を果たすため、各々が特殊な術をも…

時は幕末の騒乱期。 関取を目指して土佐から出てきた力自慢の留吉は、今じゃ旅籠屋の下働き。 このままではいかんと一念発起。侠客(やくざ)の大親分にのし上がって見せようと、 ツテを頼…

時は享和の末。その豪奢な生活で「高輪の下馬将軍」と称された島津重豪の命を狙う者が現れた。 依頼人は、彼の金遣いの荒さに困窮する薩摩藩の財政を危惧する藩士たち。 しかし、その暗殺計…

最上家の主君が江戸にて頓死する事件が起き、毒殺ではないかと騒がれた。 数年後、家臣の告発により再燃した毒殺疑惑に対し、生き証人である元毒見役の吾平は最上家の屋敷に監視される。 し…

大名屋敷の門番にして棒の達人、佐々才蔵は出勤中に仇討ちの場面に遭遇する。 討ち手である少女、お澄に一目惚れした才蔵は、惚れた弱みで仇討ちの助太刀を引き受けるが……

時は明治十年。奥羽山脈に在る御首村へと向かう政府の役人、篠塚重保。 村に入り政府からの伝達を済ませた重保は、真の目的――催眠薬や回春薬といった様々な秘薬の製造法を狙うが…… (誤…

君命により、蟹そっくりの大岩を輸送しようと伊右エ門村を訪れた、留守居役と雇い人たち。 しかし蟹岩に近づこうとすると、火矢が雨の如く降り注ぎ一行を邪魔する。 その怪異の出所を探れば…

絵本のコンテストに応募した作品です。

時は平成。 相次ぐ雑誌の廃刊に喘ぐ作家の「私」は、副業の人捜しで山奥に入る。 道に迷い、辿り着いた干河辺村でもてなされたものの、天候不順により逗留を続けていたのだが……

かつて、オリュンポスの神々と巨人族との間に大戦が起こった。 勝利したのはオリュンポスの神々。 敗北した巨人族の生き残りは冥界に囚われ、あるいは地上にて罰を受け続けていた。 ある日…

時は明治の黎明期。 貧しい村で細々と暮らしていた辰は、 山中で奇妙な生きものの死骸をは目撃する。 山寺の和尚の言葉に従い、死骸を埋めた辰であったが……

連載小説「アイトワラス」第2話の後日譚的な要素があります。

中世ヨーロッパの悪魔とも龍とも言われるアイトワラスが、平成の日本に潜り込んできた！ 美味しいオムレツと引き換えに願いを叶えてやろう、という誘惑に乗る人々の結末は……？ もしも願…

江戸は安永。 主君と諍いを起こし放逐され、開き直って諸国漫遊の旅に出た元家老の鯖田大膳。 随行するは、彼の編み出した「鯖田流」に心酔する弟子、亀吉。 逗留先で起こる事件に首を突っ…

時は明治初期。田舎の夜道をとぼとぼと歩く書生風の元武術家、山田大介は襲撃を受ける。 彼を襲ったのは、大介の外出中に他の弟子たちの襲撃を受け死亡した、大介の師にして外月流の開祖――…

時は天明。 戦乱の世ならば大名に雇われていたであろう隠れ里の忍びたちも、太平の世では食い扶持にありつけぬ世の中。 三つの掟を遵守することを条件に、数名が江戸の居住を黙認される。 …