こんばんは!! げんです!
『グラジオラスは嘘をつく』、最終話まで完結いたしましたーーー!!
読んでくださったみなさま、ご自身の大切なお時間を使ってくださり、本当に、ありがとうございました!
今回の『グラジオラスは嘘をつく』、前半は美玲の過去、後半は晴の過去を掘り下げました。
けれど、一貫して変化し続けていたのは、美玲でした。
晴は、ある意味すでに〝完成した〟状態で登場しています。
1話冒頭から、圧倒的ヒーロー感でもって登場し、嘘で軽やかに美玲を導き、守る。
後半では、そういう彼女の今の〝かっこいい〟〝軽やかな〟姿が、彼女自身の選択によるものだということを明らかにしていきました。
晴が美玲に出会って変わったのは、泣いたり、甘えたりできるということ、要するにありのままでいられる、安らげる場所を得た、という部分でしょうか。
お話の中で、自分で踏み出し、殻を破り、変化してきたのは、美玲の方でした。
かっこいいな、と思いながら見ていました。
美玲はかっこいいな、と。
私もあんなふうになれたらな、と。
ここでは、詳しめのあとがきということで、ぜひ、1話から順に振り返りさせてください。
裏話とか、私なりの解釈とかがめっちゃ入ってしまってるので、「自分の読みを壊されたくない~!!」という方は、これ以降はスキップでお願いします!!!
1話「4月の誤算」と2話「隣席の彼女」は、晴と美玲の、自己紹介の回でした。
めちゃくちゃたくさんの伏線と、一発で二人の人となりが伝わるエピソードを盛り込みました。
「――たいって」という晴のささやき、1話では「男子がそう言ってた」という伝聞に「自分がそうしたい」を隠したものなのに、最終話では「自分がそうしたい」をちゃんと言ってるというところがポイント!!
3話「人の噂も」と4話「脈あり脈なし」は、噂がじわじわと広がり、美玲が自分の気持ちに戸惑ったり、晴が「あれ? もしかして脈ある?」と思い始めたりする回です。
自然と、ほんとに自分が彼女だったら、ということを想像しちゃったりしています。ちなみに、3話で登場する追い出し放送の声は、的場先生です。
晴は、新田さんや的場先生など、誰かが自分にくれた思いやりのある言葉を、大切に持っている人。
そういうつながりを書きたくて、ここに伏線として事前に入れました。
5話「偽装の恋人」は、1つめの大きな山場です。
美玲が自分の気持ちに気づく回。
ここで啓太をぜったいに悪者にしたくない、というのは最初からありました。
気持ちが離れてしまっただけ。
それは啓太のせいではありません。ただ、合わなかっただけです。
このお話の中で、美玲は一度も「私は国塚先生が好きなんだ!!!」とは言っていないのも、こだわりポイント!!
でも、明らかにそうだっていう。
「偽装の恋人」だったのは啓太だったんだ、晴の方が「偽装の恋人」だったはずなのに、という形で、タイトルに二重の意味を入れています。
6話「5月の習慣」、7話「名前の記憶」は、実はめちゃくちゃ大事な回。
グラジオラスを二人で植えることと、実は美玲と晴が出会ったのは4年前ではなく5年前だったと明かされること。
どちらも、このお話のメインモチーフである「グラジオラス」がキーになっている回です。
これが出そろってから、いよいよ!!!
告白回!!!!に、進みます。
ちなみに、7話を書いている時に、「いっちゃえ、美玲」という凛の声が聞こえてきたときは笑いました。
応援をいただき、ありがとうございました!
8話「嘘から出た実」、9話「本物の恋人」は、個人的にこのシリーズの中で、いちばん書いててたぎりまくった、大好きな2話です。
美玲の「どうすれば、いいと思いますか」という心臓ぶち抜き案件な告白と。
晴の「すきだよ、美玲」という心臓ぶち抜き案件な回答と。
もだえながら書きました。なんだ、あんたら!!!
そして、ウグイスが運んでくる、二人の気持ちが「ぴたり」と一致する瞬間。
たぶん二人とも、心のどこかで「がんばれ、うぐいす」って思ってたんですよね。
二人とも、教育者だから。
10話「雨音とピアノ」から14話「いつかの旋律」までは、柿沼千景編です。
10話「雨音とピアノ」は、晴が、初めて美玲の前で泣いた回。
ピアノについては9話から忍ばせておきましたが、お気づきでしたでしょうか。
ちなみに本編では使えなかった設定としては、晴はですね、ピアノのレッスンの先生が初恋のひとです。
もし機会があれば、少女晴の初恋のお話も書きたい。
11話「6月の符合」は、美玲が嫉妬心から、卒業アルバムに映る二人にたどり着いてしまう回。
恋人が元カノとかといっしょに映っている写真って、見たことがありますか。
あれ、まじでキツイですよね。
別にその瞬間は何も起こっていないはずなのに、絶望的な何かが起こってしまったかのように感じられる、あの感覚はなんなんでしょう。
そして、特に12話「過去の恋人」は、プロットからいちばん大きく変更された箇所であり、たいへん、たいへん、難産でした。
晴が、千景と久しぶりに再会するシーンのある、このお話。
これね、なんで難産だったか、ぶっちゃけますと。
実は当初のプロットでは、千景がもっと晴に気持ちを残している予定だったんです。
つまり、「やっぱりまだ、あなたが好きなの」と、晴に告げるプロットにしていました。
千景が、もっと悪者だったんです。美玲の、現実的な〝敵〟になる予定だった。
でも、そうなった途端にですね。
晴が、絶対にチケットを受け取らないんです。美玲を思って。
どうあっても、受け取ってくれない。
演奏会に、行かないんです、絶対。完全に、美玲の側に立っちゃう。
これでは、まじでお話が進まない、ってなりまして。
千景の人物像を、考え直しました。
晴が、これならばチケットを受け取って、美玲に相談するだろう、という程度に。
そして、14話までのプロットを、その段階から大きく書き換えました。
いやー、びっくりした。
頑として動かない、晴。
迫る期限。
焦る私。
なんかもう、晴はほんとに美玲が大事なんだなぁ、ほんとに誠実な人なんだなぁ、と、こちらが勝手に実感しまくった回でした。
13話「毒を喰らわば」は、二人の関係性がたいへん進んでいることが明らかになる回です。
美玲の葛藤を書いた回。
彼女が行くことを選んだのが矜持から、というのが彼女らしいです。
14話「いつかの旋律」は、ピアノ協奏曲の描写が、書いててめちゃくちゃ楽しかった回。
美玲が千景の演奏に感動し、それを千景が喜ぶ、という一連の出来事が、千景の中での晴との関係のきちんとした終止符にもなっているように思います。
15話「曇天の約束」は、ご存じ、笹本救済回です。
あいつだけがこのお話で悪者になっていたことが、ずっと気にかかっていて。
成長した姿を見せてくれるかな、と思い、体育祭で走らせました。
ラストの笹本威嚇のシーンは、1話の再来です。
1話と違って、美玲の、晴の表情の解像度が上がっているところがポイント!!
ちゃんと〝目が笑ってない〟ことに気づいています。
実は晴は、1話とまったくおんなじ顔、してるんですけれどね。
16話「7月の嘘」からは、ラストにかけての流れが始まります。
ずっとあたためてきた伏線。
晴がグラジオラスを植える理由です。
新田さんの言葉を大切に、毎年晴はグラジオラスを植えています。
晴が、とにかくどんな人とでも元気にあいさつする、ということが、こういう新田さんとの関係などを作っています。
17話「剣を胸に」は、美玲が一歩踏み出し、その一歩の重さに気づく回。
グラジオラスは、剣です。
剣を胸に、美玲が戦います。
「グラジオラスが、咲いたの」という言葉は、彼女の成長の証であり、晴が植え続けてきたものが開花した瞬間であり、二人の関係が一歩進んだことの象徴でもあります。
18話「グラジオラスの花は咲く」は、晴がグラジオラスは美玲だ、と語り手を手渡す回、最終回です。
この回には、けっこうメタな仕掛けを入れました。
説明なしに、途中で語り手が切り替わる、っていう。
これは、完全に読者のみなさまへの信頼あってのことです。
ここまでご一緒に進んできてくださった方なら、一瞬「?」ってなっても、読み返して「そういうことか!」ってなってくださるだろう、と思って。
完全に甘えて書きました。
〝一瞬ついていけなくなる〟って、たぶん読まなくなるいちばん大きな原因だと思うので、Web小説ではめちゃくちゃご法度なんだと思うのですが(笑)
それでも、やりたかった。
最終話だったから。
それに、美玲が、晴の立っていた壇上に立つというのは、新田さんから晴へ、晴から美玲へと、何かが受け継がれたという象徴的な意味もある行為だと思ったので。
やらせてくださって、そして最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました!!
以上が、『グラジオラスは嘘をつく』というお話への想いです!!!
どの話数も魂を込めて書き、どの話数にも、かなりの思い入れがあります。
練りに練りまくって、二人の人物像を掘りに堀ったお話でした。
BOOTHにUPさせていただきました「グラジオラスは嘘をつく 完全版」の上下巻の最後には、「凛への報告」①②というおまけをつけさせていただきました。
BOOTHはこちら↓↓
https://genzo-pen.booth.pm/items/8013570
凛が電話のこちら側でしゃべってることだけを書き起こしたもの。
書いてて、めちゃくちゃ楽しかった。
美玲が何をどんなふうに話しているか、ぜひ想像しながらお楽しみいただけましたら幸いです。
さて、そんなこんなで、『グラジオラスは嘘をつく』が、名残惜しすぎて!!!
めちゃくちゃ詳しいあとがきを書かせていただきました!!!!
楽しかったーーーーー!!!!!!!!!!!!!
美玲と晴とは、なんだかこれでお別れじゃない気がしています。
まだ、もしかしたら何か書くかも??
それまでは、しばしお別れです。
美玲、晴、本当にありがとう!!!!!
そして、最後まで読んでくださった、あなた。
ご一緒に二人を見守ってくださって、本当に本当に、ありがとうございました!!!