その恋愛フラグ、折らせていただきます。~折れば折るほど、彼が“落ちる”音が聞こえる~
https://kakuyomu.jp/works/822139837131678102
が本日完結しました!
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彩葉一心(あやは いっしん)が高校生活で唯一目指すもの――それは、誰の記憶にも残らない、物語の背景に溶け込む完璧な「モブ」になること。
中学時代、クラスの中心で恋と友情に盛大に失敗した黒歴史から、彼女は固く誓った。「目立つこと」、とりわけキラキラした高校生らしい「色恋沙汰」は、自らの平穏を破壊する最悪の“破滅フラグ”なのだと。
高校二年の春。灰色で安全なモブライフは、隣の席になった一人の男によって、いとも容易く脅かされる。
九重透(ここのえ とおる)。
太陽のような笑顔を振りまくサッカー部のエース。誰からも好かれる彼は、一心にとって関わった瞬間にバッドエンドが確定する、歩く恋愛フラグそのものだった。
かくして、一心の孤独な聖戦が始まった。彼との間に発生する全ての恋愛フラグを、その悉くを「へし折る」ための戦いだ。
完璧な回避行動(塩対応)が決まるたび、彼女の脳内にだけ響き渡る【キィンッ!】という澄んだ金属音。それは、彼女が信じる唯一の“成功”の証だった。
しかし、現実は非情である。
一心の鉄壁の塩対応は、九重透という神レベルのポジティブフィルターを通すと、なぜか全て「極度の照れ隠し」「独特すぎる優しさ」に誤変換されてしまうのだ! 折れば折るほど、彼は勘違いを加速させ、グイグイと距離を縮めてくる。
そして、彼に不意に近づかれるたび、一心の身体の奥で鳴り響く、未知の重低音――【ズン…】。
それは成功音とは似ても似つかぬ、甘く危険な、心のバグ。
これは、単なる勘違いの日常コメディではない。
文化祭で彼が口にする、一心しか知らないはずの「過去の言葉」。修学旅行の夜、彼が初めて見せる、寂しげな素顔。彼女が折ってきたはずのフラグは、やがて二人を繋ぐ、逃れられない運命の伏線へと変わっていく。
高校卒業までの、限られた時間。
頑なに心を閉ざすこじらせ女子と、その壁の向こう側にある本当の彼女を見つめ続ける最強ヒーロー。
彼女が聞いている「音」の正体とは? そして、彼が隠している秘密とは?
鳴り響くのは、恋が“折れる”音か、それとも“落ちる”音か。
これは、自分の物語の脇役(モブ)でいると決めた少女が、やがて本当の主役(ヒロイン)になるまでの、壮大で少しおかしな、勘違いと成長の記録である。