この作品は、初めゲームとして作るつもりだったので、20ページくらいの企画書を練って、講談社ゲームラボというところに持ち込むところから始まりました。
断られました。わりとあっさり。
私が作りたいゲームには、イラストが必要でした。AIも試しましたが、私が満足するクオリティには達しませんでした。AIの絵って、一枚一枚は綺麗ですが、全体としての一貫性に欠けるんですよね。職業エンジニアということもあり、色々手は打ちましたが、問題は解決しませんでした。
だから私は人間の絵師、それも私が想定する質と量を確保できる方にお願いしたかったのですが、当然そんな方にお願いするには大金が必要です。そのお金を手に入れる算段も立たなかったので、ゲーム作りは一旦中断することにしました。
それで、小説を書き始めました。
この作品は、ゲームとして構想したがゆえに、「ゲーム的お約束」で済ませていた部分が多々ありました。たとえば、錬金術。ゲームであれば合成画面を用意し、ボタンを押せば素材が変化します。けれど小説では、読者にその過程を読ませる必要がある。ならば、ちゃんと描こうと思いました。
結果として生まれたのが、ファンタジーと現実科学が混ざり合った「錬金術」でした。現実の物理学、化学、生物学、医学などの、歴史に裏打ちされた「重み」を土台として、魔法や錬金術などの非日常的なもののリアリティラインを補強する。そうすることで、現実の科学と非日常の錬金術を「接続」して、この世界とファンタジーの世界が、地続きに感じられるようにする。
書いてみて思いましたが、私はこういうのが好きみたいです。こういうのだったらいくらでも書ける気がするし、書きたい気もします。
この二人の物語は、一旦ここで終わりです。もし体力とモチベが続けば、同じ世界で他の人物を主人公にした物語を書いてみたいと思っています。例えば、国王の依頼(命令)でネマとカイルの素材集めに駆り出された不憫な探索者の話。例えば、カイルの遡りにより生まれた時空の歪みを観測した占星術師の話。今回モチーフにした用語は、化学・生物由来が多かったですが、占星術師なら物理がメインになるでしょうね。個人的に理科の単元は物理が一番好きなんです。あー、絶対楽しい。プロットはまだ一行もないけど……。
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最後に、この作品を読んでくださったあなたへ。
本当に、ありがとうございました。
この作品を投稿している間、PVを確認しない日は一日もありませんでした。
決して多くの人に読まれる作品ではありませんでしたが、それでも最新話を公開するたびにPVが付いたり、たまに一話から順繰りに読んでくれる方がいると、いたく嬉しい気持ちになりました。それが書き続ける原動力になりました。
もしこの作品を楽しんでいただけたなら、そっと誰かに勧めていただけたら嬉しいです。
また、どこかでお会いできますように。