『転生心査録(リスタート・カルテ)』
第11 話公開しました。
第4録は、「生まれたイミ」をテーマにひとりの少年の魂と向き合う物語となっています。
少しでも楽しんでいただければ嬉しいです!
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【プチこぼれ話】
※本日のプチこぼれ話は、書類を届ける最中に迷子になってしまう遊月のお話です。
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「あとは、コレを第5階層まで届けて…。はぁ、階段登るの疲れるんだよなぁ。」
他部署へ届ける書類を手に階段を登っていく遊月。息を切らせながら辿り着いた5階のスタッフステーションには、第6階層の文字が並んでいた。
「あれ?ここ5階だよな…。第5階層って、どこだっけ。」
就任してまだ日が浅いため、自部署以外の場所を正確に把握できていない。
どこか別の道があっただろうか。
朧気な記憶をたぐり寄せていると、何しているの、と声が聞こえてきた。
視線を向けた先。
そこにいたのは、第1階層心査官の黒崎玲奈だった。
「あ、すみません。その…第5階層ってどこですか?」
「え?どこって、この真下だけど…?」
「真下?ここ5階ですよね?」
「あぁ、そういうこと。第4階層が別棟にあるから、その関係で第5、第6は階がズレるのよ。私も時々間違えるけど。」
「そういうことか!すみません、助かりました。」
ちょうど下に降りるから、と案内役を買ってでてくれる黒崎。
篝や心杜葉、月詠以外の心査官と話すのは初めてだったが、職業柄やさしい人が多いのかもしれない。
道すがら、連絡通路についても教えてくれた。
「第4階層がある療養棟への連絡通路は、1階スタッフステーション前の1か所のみなの。でも、寮や食堂がある生活棟への連絡通路は、各階層に1か所ずつある。書類を届けて直帰する時とかは、使うと便利だよ。」
「へぇ、どの階層からでも帰れるんですね。」
辿り着いた4階。
第5階層の文字を確認した遊月は、ぺこりとお礼を伝える。
その姿に微笑み返した黒崎は、こちらこそ、と頭を下げた。
「黒田葉月さんの件ではお世話になりました。本当にありがとう。…私もまだまだ未熟だけど、分かることなら教えるから気軽に聞いてくださいね。」
それじゃあ。
踵を返し階段を降りていく黒崎に、遊月はもう一度深く頭を下げる。
さりげない人の優しさに触れるだけで、なんだか活力をもらえた気がする。
今日も一日頑張ろう。
気合を入れなおした遊月は、今度こそ書類を渡しに行くのだった。
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今回もお付き合いいただきありがとうございます!それでは、また。本編でもお会い出来たら嬉しいです。