『皮膚は嘘をつかない』、無事に完結しました。
最後まで読んでくださった皆さま、応援や反応を寄せてくださった皆さま、本当にありがとうございました。
この作品を書こうと思ったきっかけは、皮膚科医として働くなかで、
「皮膚疾患を題材にした推理小説を書いたら、面白いのではないか」
と考えたことでした。
皮膚に現れる小さな変化から、患者さんの生活や背景、ときには本人も気づいていない事情が見えてくる。そうした皮膚科ならではの視点を、物語にできないかと思ったのが始まりです。
ところが、実際に書き始めてみると、推理小説を作ること以上に「小説を書くことそのもの」の面白さに気づきました。
登場人物を考え、物語を組み立て、伏線を置き、それが後半で別の意味を持って返ってくる。六月に小説を書き始めたばかりですが、気づけば次々と新しい話を書いていました。
そこから生まれたのが、異世界転生した皮膚科医を主人公にした『その呪い、皮膚科で診ます』です。
さらに題材と世界を広げ、現在はTALESで、
『勇者パーティをクビになった荷物持ち、王都で転職ギルドをはじめる』
『その傷、魔法では治りません〜追放された侍医令嬢の辺境診療録〜』
の二作品を連載しています。
一作目は、剣も魔法も使えない元荷物持ちが、求人票と契約書を武器に「戦えない者」の次の仕事を探す、お仕事ファンタジー。
二作目は、魔法で治らない傷を診る追放侍医令嬢を描いた、医療と再生の物語です。
『皮膚は嘘をつかない』とは舞台も雰囲気も異なりますが、見えにくい問題を丁寧に拾い、記録や観察から真実へ近づいていくという部分には、同じ根があるように思います。
『皮膚は嘘をつかない』を読んでくださった皆さまに、こちらの作品も楽しんでいただけたらうれしいです。
改めて、完結までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。