―愛視点―
放課後。彼の家に一緒に帰って映画を見た。
センパイのおすすめしてくれたインドが舞台の映画。インドの女の子がスケートボードの才能を開花させる。でも、彼女の目の前には保守的な世間や親の価値観によって、その夢を否定されそうになってもあきらめずに自分の才能のために戦っていく。
自然と涙が出た。少しだけ自分の置かれた環境に近いのかもしれないと思う。
社会の厳しさや冷淡さを描きながらも、なぜか元気づけられるような素敵な映画だった。
私が感動して泣いてしまったのを見て、横にいた彼は何も言わずに、頭を撫でてくれた。その仕草は、やっぱり私に安心をくれる。心がどこかに溶けていくような、そんな優しい世界を彼は作ってくれる。
ここで目を閉じて、彼にすべてを託したらどうなってしまうだろう。
たぶん、私は幸せを感じて、それでいてズルいことをしたと後悔するんだろうなと思う。
それでも……せめてエンドロールの間だけは……彼の優しさに甘えていたい。
彼と恋人になれたら、どんなに幸せだろう。映画の余韻と共に、私の淡い恋心もゆっくりと漂っていった。