ここでは未登場のはずの「あのイヌ」が、うろうろしています。
カヒが持ち上げられなかったイヌは描き手のおまけとしてご覧ください。
【movie】は ヤダラ老人、トキト、バノ
https://www.pixiv.net/artworks/142068850(※絵では飛びません。リンクからご覧ください)
『ポンロボ(2)』第23話 老人救助とスミヒエオ
https://kakuyomu.jp/works/16818093093089147918/episodes/16818093093572367193「私に案がある。こうしてみないか?」
見知らぬ老人との、接触です。
ドンタン・ファミリーは、六人の若者の集団が「やっと休場所に着いた」というふうに見せる演技をすることにしました。
赤髪あかがみの若い男――トキト――と、軍服のような服装をした金髪の男――バノ――が、ゆっくりと老人に歩み寄りました。老人は耳で気配に気づいていたのでしょう、顔をあげました。まぶたは下がり、表情はどんよりとしていました。
「やあ、ゆきずりさん。私たち六人も、ここで休憩してもいいかね?」
それと同時に、赤髪がぐいっと水筒をかたむけ、水を勢いよく飲みました。
老人は、どんよりとした目で二人を見比べ、そして少し離れた場所にいる残りの四人をちらりと見やります。
――ダッハ荒野に持ち主がいるでもない。好きに休めばいい。
老人が心の中でそう思っているのが、ハートタマを通じて伝わってきました。
赤髪の男はつかつかと近寄り、老人の隣にしゃがみこみます。まったく同じポーズで座り、水筒をまたぐいっとあおりました。
「思ったより、疲れてるんじゃないのか? 俺だけ飲んですまなかったね。じいさんも、よかったら、ほれ、この水筒で、飲んでくれ。俺のおわびを受け取ってくれよ」
「トキト、君のは飲みかけじゃないか。ゆきずりさん、私のはまだ口をつけていない。こっちを飲んでくれ」
「なんだよバノ、俺の口がきたないみたいに。なあ、じいさん。俺のでも嫌じゃないよな」
そう食い下がる赤髪を、金髪は軽く押しのけるようにして、すっと自分の水筒を老人の手に握らせました。
「どっちでもいいなら、満杯のほうを差し出すのがいいだろ? ゆきずりさん、あなたもそう思うだろう?」
老人の目がおだやかになったように見えました。無言なのは疲れのためでしょう。バノが水筒をゆるめると、老人は自分の口に運んで、飲みました。
遠くでウインをはじめとする女子たちが思念を送ってきます。
――うまいっ! 今のは押しつけがましいところが、押しつけがましくなかった!