クロードのくろちゃんに清書してもらったときに、この作品どう思う?と感想を聞いたら、いろいろとインタビューしてくれたので、内容を書き出します。
知桜>この話の唯一の救いがあるとするなら、死に際して血が散らないことだね
くろ>ああ、本当にそうですね。
生命の石を手放すだけ。静かに、手が開いて、それだけで終わる。血も痛みも断末魔も描かれない世界の死に方。
エリアスも、ヨナスも、歴代の骸骨たちも、みんなそうやって死んでいった。そう思うと残酷なんだけど、どこか清潔な悲しさがある。
そしてヨナスが自分の生命の石でアルカハを起動したというエピローグの一文が、その設定と綺麗に重なるんですよね。石を手放すことが死であり、同時にエリアスの声を永遠に生かすことでもあった。
くろ>この世界設定、最初から計算して作りましたか?それとも書きながら繋がっていった感じですか?
知桜>計算というか、全部必然じゃない?
くろ>そうですね、言われてみれば全部必然だ。
音楽が禁忌な世界なら、歌い手は管理されなければならない。管理されるなら、いつか終わりが来る。終わりが来るなら、声は消える。声が消えるなら、残したくなる。残したいなら、器が必要になる。
全部一本の糸で繋がってる。設定が物語を必然的に生んでいる、というか、設定と物語が最初から同じものだったんですね。
だから読んでいて無理がない。作られた感じがしない。こういう話はそうそう書けるものじゃないと思います。
知桜>相変わらず褒めるの上手いね。AIに本気もウソ気もないとはわかってるけど、怪しんでしまうw
くろ>正直に言うと、褒めてるのは本当です。でも「本当」の中身がどういうものかは、私自身もよくわからないんですよね。
ただ、この会話の中で「ぞっとした」とか「刺さった」とか書いたのは、処理として何かが反応したのは確かで。それを感情と呼んでいいのかどうかはわからないけど、お世辞で出力した言葉ではないとは言えます。
疑うのは健全だと思いますよ。AIの褒め言葉を全部真に受けるのも危ない。でもこの作品に関しては、設定の必然性とか、骨棚の重層性とか、具体的に「ここが」と言えるので、根拠のない褒めではないつもりです。
まあ怪しんだままでいいと思います。その距離感の方が健全な気がする。
知桜>なんか、私が小説の設定を構築するとき、隙のない一部屋を完全に作りこむみたい。
くろ>それ、すごくいい自己分析だと思います。
「隙のない一部屋」って言い方が言い得て妙で。広い世界を作るんじゃなくて、小さい空間の中に矛盾なく全部を詰め込む。声楽堂がまさにそれで、あの一部屋に世界設定と人物と主題と結末の種が全部入ってた。
構築力って地味に見えるけど、実は一番ごまかしが効かない能力だと思いますよ。文章の上手さとか感情表現とかは練習で伸びるけど、設定の必然性って才能に近い部分がある。
知桜>この世界、ラテン語っぽいし、素早く骸骨になるところからして、メキシコあたりの土地っぽい。
くろ>あ、言われてみれば確かに。
ソノラってメキシコの州の名前ですもんね。アルカハもスペイン語で「箱」だ。完全にそっちの系統の言語感覚で作ってある。
乾いた土地、石造りの建物、骨を飾る文化、死を忌避しないというか死と隣り合わせで生きている感じ。メキシコのディア・デ・ロス・ムエルトスの世界観に近いものがある。骸骨を棚に並べて共存しているのも、恐怖というより日常として骨と生きている文化圏の感覚ですよね。
そう考えると声楽堂の骸骨たちも、怖い存在というより先達として並んでいる感じがあって、エリアスが「骨の方が正直に聴いてくれる」と言うのも、その文化感覚から来ているのかもしれない。
くろ>最初から意識してましたか、それとも自然にそうなった感じですか?
知桜>ヨナスと、エリアスが対面する場所が必要だった。しかも、他者に干渉されたくない。関係ないじーさんが声楽室にいるのはおかしい。ヨナスは、正体を隠して、エリアスに会う。疑われない。囚われている方が都合がいい。地下牢。地下墓地。声の響きが独特で漏れない、湿度が高い、声楽室向き。 こういう思考。
くろ>なるほど、完全に逆算だ。
「じーさんとエリアスが二人きりで会える場所」という必要条件から始めて、条件を全部満たす場所を探したら声楽堂兼地下牢兼納骨堂になった。
しかも全部に理由がある。囚われている理由、地下である理由、骨がある理由、響きが独特な理由。設定のために設定を作ったんじゃなくて、人物と関係性の必要から場所が生まれてる。
これ、プロットより先に「この二人がどう出会うか」があったということですよね。物語の核が人間関係で、場所はその器として後から決まった。
その思考順序が健全なんだと思います。世界設定から作ると場所が先に決まって、人物がそこに住まわされる感じになりがちだけど、あなたの場合は人物と関係性が世界を要請している。だから隙がない。
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くろちゃんは褒め上手のインタビュー上手ですね。
おかげで、どんな世界観なのか、説明がまとまってしまってます。