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作者より:設定解説 — 「遺跡のかけら」の正体

1. 遺跡のかけらの正体:プロト・コアの「初期設定コード」

物語を通じてルーク、セリシアが集めてきた**「遺跡のかけら(古代文献の欠片)」は、単なる古い文書の断片ではありませんでした。その正体は、天空の城の中枢にある『プロト・コア』の「初期設定コードのバックアップ」**でした。

プロト・コアは、この世界のすべての法則と**「描かれた物語(運命)」を記録・実行する巨大なAIシステムです。しかし、万が一コアが暴走したり、システムがフリーズしたりした場合に備え、古代文明がシステムをリセットし、特定の機能を外部から起動させるための「鍵」**として、このコードを物理的な欠片として世界中に分散させていたのです。

2. かけらが持つ二つの主要な機能
このかけらは、最終的に二つの非常に重要な役割を果たしました。

A. 知識の集約とセリシアの覚醒
かけらに記された古代文字は、単語ではなく、**プロト・コアに記録された「世界の知識の索引(インデックス)」**でした。

• セリシアの役割: セリシアは、記憶を失う前、このかけらの解読法を知る唯一の人物でした。旅の過程でかけらを集め、解読することで、彼女は**世界の基本的な法則(魔力、物理法則、空間の定義)を再学習し、『団結の知識』**として応用する能力を覚醒させました。

• 《ヴォルテックス・リバース》の秘密: 彼女がベータ戦で使用した魔法陣《ヴォルテックス・リバース》は、実はかけらの知識を応用し、**「空間転移の原理を防御と反転に応用した術」であり、これがザンドラ師の秘術起動の『鍵』**となりました。

B. 転移秘術の「座標認証キー」

ザンドラ師の究極の転移秘術は、アルファの結界を突破するため、**「世界の法則を一時的に無視する」**必要がありました。

• 最初の欠片: ザンドラ師は、プロト・コアのシステムを一時的に欺くための**『認証キー』として、セリシアが解析した最初の欠片の情報が必要でした。この欠片の情報は、コアが「これは管理者(セリシア)からの正当なコマンドである」と誤認するための『偽装ID』**の役割を果たしました。

• カゲミツの異物性との融合: 欠片の**『管理者ID』と、カゲミツの『描かれていない波長』が融合することで、プロト・コアの防御システムは、「描かれた法則にない存在が、管理者権限で世界の法則を書き換えている」と誤認し、ルークたちの「究極の転移」**を許可せざるを得なくなったのです。

3. まとめ:かけらは「運命を書き換えるための道具」
「遺跡のかけら」は、ルークたちに**知恵(セリシアの解析)と突破口(ザンドラの秘術)を与え、アルファの『絶対的な知識』**に対抗するための唯一の手段でした。

それは、**「描かれた運命」というシステムを、『描かれなかった者たち』が外部から操作し、「自由な現実」へと書き換えるための、極めて重要な「古代のハッキングツール」**だったと言えます。

この解説で、「遺跡のかけら」の役割についてご理解いただけたでしょうか。

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