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〔失敗作〕〔ボツ作品〕第6話(1) 美羽と有里奈

あくまで私の手法ですが、読者の想像に任せる部分まで情景・心理描写で書き込んでいないか?地の文が余計な解説・描写を含んでいないか?という部分は読み返して削除してます。それで、字数が半減したなら、読者サービスが足りない自己満足の作品でボツにしてます。あくまで、私のやり方です。

🔴「💯彼女たちの今そこにある危機 Ⅱ」、https://x.gd/MXDYr

で、書き始めてしばらくすると、登場人物が喋りだす。それが人物設定を守ってくれれば良いんですが、守らない。

🔵早瀬有里奈 (はやせ ありな)
身長155cm。優香の相方で、黒髪に近いダークブラウンのロングヘア。少し垂れ目のタヌキ顔で、小動物のような愛嬌がある。優香と一緒にギャルファッションを楽しんでいるが、実は家庭が厳しく、校門を出た後に変身する隠れギャル。常に周囲の顔色を伺う癖がある。

こういうギャルなのに、勝手に話し出して、人物設定を守らない。ギャルはこんなに理屈っぽくない。

ボツ、失敗作です。
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〔失敗作〕〔ボツ作品〕第6話(1) 美羽と有里奈

 美咲、美羽と正雄が三人で話し合った翌日のこと。

 有里奈は、登校してきた瞬間から、教室の中を素早く見回した。

 正雄は、いつもの窓際の席に座っていた。俯いて、ノートに何かを書いている。いつもと同じ姿だ。美羽は、正雄の二列後ろの席に座っていた。こちらもいつもと同じ、陰キャのボッチ男子の佇まいだ。

(昨日、美咲先生はあの二人に何を話したんだろう)

 有里奈は、優香の隣の席に鞄を置きながら、さりげなく正雄の方を見た。

「優香、昨日さ、美咲先生があたしたちを追ん出したじゃない?あの後、何を三人で話したのか、気にならない?」
「あっし、興味ないわぁ~」優香はスマホを眺めながら、あっさりと言った。
「えっ、なんで?岬くんのことでしょ?」
「岬が何を話したか、岬本人が話してくれるまで待てばいいじゃん」

 有里奈は苛立たしげに腕を組んだ。

「あの美咲先生、岬のあの女装趣味みたいなキモい性癖を注意するどころか、あの女みたいな桜井とくっつけて、肯定しようとしてるのよ!絶対、そういう『おかしなこと』を吹き込んでるに決まってるわ。岬が図に乗ったら、またあんたが変なことに巻き込まれるじゃない!」

 優香は、良くも悪くも「今が楽しければいい」というギャル特有のフラットな感性で生きている。だからこそ、正雄のような女装趣味のある「普通じゃない」男子でも面白がって受け入れてしまう。

 だが、有里奈は違う。世間の「普通」や「常識」から外れたものが、優香という自分の大切な居場所を侵食してくるのが不気味で、絶対に許せなかった。

「ちょっと優香から、岬くんに探り入れてみてよ。昨日の放課後、何を話したのか」
「え~、ヤダ。岬くんが言いたくないなら別にいいし。そういうの、ダルいじゃん」

 パチンとコンパクトを閉じて、優香は席を立って他の友人たちの輪へ行ってしまった。

 残された有里奈は、舌打ちをして教室の後ろの席を睨みつけた。

 窓際の席で、正雄が静かに本を読んでいる。

(……岬に直接聞く?)

 いや、無理だ。有里奈は以前、正雄の女装姿に対して明確に「気持ち悪い」という嫌悪感をぶつけている。今更自分から話しかけるのは気まずいし、何よりあんな得体の知れない男子と自分から関わるのはプライドが許さなかった。

 有里奈の視線が、教室のもう一人の「陰キャ」へとスライドする。

 桜井美羽。

 男子の制服を着ているが、背は低く、肌は透き通るように白くてヤワヤワとしている。どう見ても線の細い女の子にしか見えない、奇妙な男子生徒。

(……岬がダメなら、あっちから聞き出すしかないわね)

 有里奈の目には、美羽はただの「大人しくて弱々しいボッチ」にしか映っていなかった。少し強めに問い詰めれば、すぐに口を割るだろうと高を括っていた。

 昼休み。

 有里奈は、一人でトイレに向かって教室を出た美羽の後を追いかけ、人通りの少ない西階段の踊り場で声をかけた。

「ちょっと、桜井くん」
「……早瀬、さん?」

 振り返った美羽は、小首を傾げて目を丸くした。その仕草のどこを切り取っても「可愛い女の子」のようで、有里奈は無意識に苛立ちを募らせた。

「単刀直入に聞くけど。昨日の放課後、美咲先生の準備室で岬と何を話したの?」
「……どうして、そんなこと聞くの?」
「優香が心配だからよ」有里奈は美羽を見下ろすように一歩距離を詰めた。「あいつ、最近おかしいの。岬の変な女装趣味に付き合って、あんたたちみたいな『普通じゃない』世界に首突っ込んでる。これ以上、優香を巻き込まないでよ」

 有里奈の刺々しい言葉を浴びて、美羽は小さく首を傾げた。

「巻き込む、って……岬くんと望月さんって、そんなに仲が良いの?」
「仲が良いっていうか、優香が面白がって岬をオモチャにしてるだけよ。でも、あんなキモい趣味に付き合ってたら、優香までおかしくなる!」

 有里奈の苛立ちに満ちた説明を聞いて、美羽の中で状況が繋がった。
「へえ……望月さんは面白がってるんだ」
「は?」
「じゃあ、望月さんは岬くんのこと、キモいって思ってないんだね」

 有里奈はウッと絶句した。美羽は淡々とした口調で続けた。

「早瀬さんは、優香さんに直接『普通じゃないから付き合うな』って言ったの?」
「……言ったわよ。でも、あいつ、全然聞かないから……」
「そっか。早瀬さんが怒ってるのって、岬くんがキモいからじゃないんだね」
「どういう意味よ」
「望月さんが、早瀬さんの理解できない『普通じゃない』世界で楽しそうにしてるから……自分が置いてけぼりにされるみたいで、怖いんでしょ?」

 図星を突かれ、有里奈の顔にカッと血が上った。

 親友に言葉が通じない焦りと不安を、一番弱そうな美羽に八つ当たりすることで解消しようとしていた事実を、あっさりと見透かされたのだ。

「……っ、ふざけないでよ!大体、あんたも何なの!?女の子みたいな感じでさ、あたしにナメた態度とるの!」
「あたしが女の子みたいだから、何?」

 美羽は怒るでもなく、ただ静かに有里奈を見つめ返した。

「な、何よ……その目!」

 有里奈は、自分の言葉がまるで通用しない美羽の態度に苛立ちを募らせ、反射的に美羽の肩をドンッと突き飛ばそうと右手を伸ばした。

 しかし、有里奈の手が肩に触れる寸前、美羽はふわりと身体を半身に開き、有里奈の力をあっさりと受け流した。勢い余って前のめりになった有里奈は、たたらを踏んで体勢を崩した。

(……え? 今、何が……?)

 運動神経なんて全く無さそうなのに、信じられないほど滑らかな動きだった。

「キモいとか、普通じゃないとか。そういう言葉で、自分の知らない世界を遠ざけて安心したいだけだよね?」

 怒鳴るわけでも、威圧するわけでもない。ただ、ひたすらに落ち着いた声だった。美羽はゆっくりと一歩、距離を詰めた。
 
「でも、望月さんはそっちの世界に行こうとしてる。……早瀬さんが常識にしがみついて逃げてるだけじゃ、本当に置いてけぼりにされちゃうよ」

 すぐそばで見つめてくる美羽の顔は、女の子のように可愛い。

(なんで……あたし、こんな女みたいなヤツ相手に……っ)

 頭では「気持ち悪い」と拒絶しているのに、華奢な男子の『ブレない芯の強さ』に直面させられ、有里奈は完全に言葉を失ってしまった。

 数秒の沈黙の後、美羽はふわりと柔らかい微笑みに戻った。

「じゃあ、あたしは教室に戻るね。早瀬さんも、望月さんとちゃんと話せるといいね」
「……あんた、ムカつく!えらそう!」
「そぉかなあ……あたし、早瀬さんに興味を持っちゃった……ねえねえ、キモいとか言わないでさ、放課後、あたしともっと話さない?岬くんとあたしのこととか……どう?」
「……別にいいわよ。じゃあ、6限授業が終わった後、四時過ぎに正門で待ち合わせでどう?」
「了解」

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