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〔💫アガメムノンの悲劇と、メネラオスの流浪〕

🔴「💫ホメロス オデュッセイア」
 クリストファー・ノーランの映画最新作の原作
 https://kakuyomu.jp/works/2912051607014466080
 第3話(4) アガメムノンの悲劇と、メネラオスの流浪
 https://x.gd/2T1nG

〔💫アガメムノンの悲劇と、メネラオスの流浪〕

だからね、愛しい若き友よ。私は他の者たちがどうなったのか、一切の報せを聞かぬまま帰還したのだ。誰が無事に故郷の土を踏み、誰が海の藻屑となったのか、私には分からない。だが、私がこの館に戻ってから耳にした噂については、隠すことなくすべてお前に話そう。

アキレウスの息子ネオプトレモスに率いられたミュルミドン人の軍勢は無事に帰還したそうだ。ポイアスの勇敢な息子ピロクテテスも同様にな。クレタの王イドメネウスも、戦場で生き残ったすべての部下を一人も海で失うことなく、クレタ島へ連れ帰ったという。

そして……お前がどれほど辺境の地に住んでいようとも、総大将アガメムノンが、アイギストスの手によっていかに無残な最期を遂げたかは聞いているだろう? もっとも、アイギストスもその罪の恐ろしい代償を支払うことになったがな。立派な息子を残すことが、男にとってどれほど素晴らしいことか見てみるがいい。オレステスは、高貴な父を暗殺した裏切り者アイギストスを見事に討ち果たしたのだ。

お前もだ、テレマコスよ。長身で、実に逞しく賢そうな若者よ。お前もオレステスのように己の真価を示し、後世の物語にその名を轟かせるのだ!」

「ネレウスの御子ネストル王」テレマコスは熱を帯びた声で応じた。「アカイア人は皆、オレステスの復讐を拍手喝采で称賛しています。彼の名は、父の無念を晴らした気高き息子として永遠に語り継がれるでしょう。

天が私にも、我が家を荒らし、私を破滅させようと企むあの邪悪な求婚者どもの横暴に対し、同じような復讐の力を与えてくれればどれほど良いことか! しかし神々は、私と父のためにそのような幸福な運命を用意してはくれませんでした。我々は、この絶望に耐えるしかないのです」

「若き友よ」ネストルは目を細めた。「お前がその話を持ち出したことで思い出した。お前の母親には数え切れないほどの求婚者が群がり、お前に悪意を向け、お前の領地を徹底的に食い荒らしていると聞いたぞ。お前はそれをただおとなしく受け入れているのか? それとも、民衆の心や神々の声が、お前に反発しているから手が出せないのか?

だが、誰に分かるというのだ。オデュッセウスが突然帰還し、あの悪党どもに借りをきっちり全額返してやるかもしれないぞ。彼一人の力で、あるいはアカイア人の軍勢を引き連れてな。

もし、かつてトロイアの戦場で女神アテナがお前の父を溺愛したように――私は、あのように神が人間に対して公然と愛情を示すのを未だかつて見たことがない――あの女神がお前のことも熱烈に愛し、守護してくれるなら、あの求婚者どもは『結婚』の二文字を頭から永遠に消し去ることになるだろうに!」

テレマコスは自嘲気味に首を振った。

「そのような奇跡など期待できません。それはあまりにも望みが高すぎます。私はそんな甘い夢を自分に許すことすら恐ろしい。たとえ神々自身がそれを望んだとしても、私にそのような幸運が降りかかることは決してないでしょう」

その瞬間、隣に座っていたメントル(アテナ)が鋭い声を上げた。

「テレマコス、何という弱気な言葉を口にするのだ! 神がその気になれば、どれほど遠く離れていようとも、その長い腕で人間を救い出すことなど造作もないことだ。
私ならば、家に帰るまでにどれほどの苦難や試練を味わおうとも、最後に故郷で安全に過ごせるのであれば全く気にしない。さっさと故郷へ帰り着いて、アガメムノンのように妻とアイギストスの裏切りに遭って自分の館で惨殺されるよりは、はるかにマシだからな!
もっとも、死という運命だけは絶対だ。人間の最期の時が訪れたならば、たとえ神々がどれほどその者を愛していようとも、死から救うことはできないのだが」

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