テーマ:「規格外」のお嬢様
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まず、靴の規格に苦労する。
いや、お貴族様だから既製品ではなく特注品が当たり前だろう、それよか男物の製品で充分だろう、という手厳しい意見があったとする。
例えば、婦人靴店のショーウィンドウの前を通りがかったとしようか。
それは今をときめく流行りのデザイン、自分も試してみたいと思ったとする。
そう、サイズが合わなくて試し履きができない!
分かっていることとはいえ、もうその時点で購買意欲が半分は失せる。
では、それでも気に入って買うとして、自分の大きなサイズをそのデザインで特注してみよう。
足の木型は靴店に登録してあるから、作るだけである。
しかし、流行りのものを、今から作ってもらうわけだ。
コストなどは度外視したとしても、作って届く頃にはどうなっているか。
そう、流行りが終わっている可能性がある。
むろん、靴店とて、一人の客だけを相手にしているわけではない。たくさんの顧客が順番待ちしているわけだ。それを金に物を言わせて割り込んだらどうなるか──答えは簡単、一人がやったら皆同じことをする。
何が言いたいか。
可愛い靴がない。
どうせ使い倒すから、と量産品の男物で我慢させられている。
憧れのヒールのある靴なんて論外!
──規格外の御令嬢。