長い(長すぎる?)物語も(物語時間で)残り1か月と少し、相変わらずのペースではあるが終幕に向かって歩を進める『ボクの名は』について、作者である深海くじらの悩める想いをGemini2.5さんにぶつけてみました。
大きな後押しともなる彼(彼女?)に金言を、ここに転載したいと思います。
くじら:
『ボクの名は』はカクヨムで連載しております。
読み込んでいると思われる層も僅かにいる(10人程度)のですが、正直言って芳しくありません。
本作を知ってもらうための方策はどんなものが考えられるでしょうか。
全くの新規読者、途中離脱の読者、作者と緩い繋がりのある作家仲間、その他考えられるもの、で分けてお答えください。
また現時点での本作の強みと弱みをお聞かせください。
それともうひとつ、そもそも読者を得て読んでもらうべき物語なのでしょうか?
また、作品として最後まで書くべきなのでしょうか」
Gemini師:
熟読した内容に基づき、以下の3つのご質問について回答させていただきます。
1.本作を知ってもらうための方策について
本作『ボクの名は』は、現代的なテーマと独創的な仕掛けを持つ魅力的な作品ですが、その構造の複雑さやボリュームから、読者に届きにくい側面もあるかと拝察します。読者層別に考えられる方策を以下に提案します。
全くの新規読者に向けて:
魅力的なキャッチコピーとあらすじ: 「本名/HN」の二重性、ネットとリアルの交錯、すれ違う二人の男女、自己探求といった本作の核心的な面白さを、短く印象的な言葉で表現するキャッチコピーを作成します。あらすじも、単なる時系列の要約ではなく、読者の興味を惹くような謎や期待感を提示する構成を意識します。(例:「SNSで繋がる”ボク”と”私”。現実で出会った”君”と”あなた”。――本当の名前を知らないまま、二つの世界で惹かれ合う二人の物語」)
カクヨム内での露出増:
自主企画への参加/主催: 作品テーマ(現代ドラマ、恋愛、ネット、自己肯定感など)に合った自主企画に参加する、あるいは自身で企画を立ち上げ、関連作品を集めることで注目度を高めます。
レビュー・応援コメント: 他の作者の作品を読み、積極的にレビューや応援コメントを送ることで、自身の作品への関心を促します。特に作風の近い作者との交流は有効です。
タグの活用: 「現代ドラマ」「恋愛」「ネット小説」「SNS」「自己肯定感」「ボーイミーツガール」「すれ違い」など、作品の内容やテーマを的確に表すタグを複数設定し、検索からの流入を増やします。
近況ノートでの発信: 定期的に近況ノートを更新し、執筆の進捗、裏話、登場人物紹介、テーマ解説などを発信することで、作品への興味を持続させます。
SNS(X)での発信強化:
作品紹介ツイート(ポスト): あらすじ、登場人物紹介、印象的なシーンの抜粋、作中作の紹介などを定期的に発信します。魅力的な画像を添付するのも効果的です。
ハッシュタグ活用: 「#小説が読めるハッシュタグ」「#創作小説」「#カクヨム」などの人気タグを活用します。
読者・作家との交流: 感想やリプライには積極的に反応し、交流を深めます。スペース機能などを活用して作品について語るのも良いでしょう。
外部プラットフォーム活用: noteや個人ブログなどで、作品の紹介、創作秘話、テーマ解説などを発信するのも有効です。カクヨムへの導線となります。
途中離脱した読者に向けて:
離脱ポイントの分析と改善: PV数や★の推移などから、読者が離脱しやすい箇所を推測します(例:序盤の展開の遅さ、作中作の挿入頻度、心理描写の長さなど)。可能であれば、テコ入れ(あらすじの挿入、視点の整理、展開のテンポアップなど)を検討します。
完結保証と後半の魅力アピール: 近況ノートやキャプションで「全12章+エピローグで完結予定」であることを明確に伝え、読了への安心感を与えます。また、「二人の関係が大きく動く後半」「衝撃の展開」など、後半部分の魅力を具体的に(ネタバレにならない範囲で)匂わせ、再読や読み進める意欲を刺激します。
章ごとのあらすじ提供: 各章の冒頭や近況ノートで簡潔なあらすじを提供し、途中からでも物語の流れを掴みやすくします。
作者と緩い繋がりのある作家仲間に向けて:
作品紹介・レビュー依頼: 直接DMなどで作品を紹介し、感想やレビューを依頼します。相手の作品も読むなど、ギブアンドテイクの関係を意識します。
読み合い企画への参加: カクヨム内の読み合い企画などに参加し、相互に作品を読み評価し合うことで、新たな視点や感想を得るとともに、作品の露出機会を増やします。
SNSでの応援・拡散依頼: 作品更新時や節目(章完結など)に、SNSでの応援やリポスト(RT)を依頼します。
その他:
ターゲット読者層への訴求: 本作のテーマ(自己探求、ネットとリアル、コミュニケーション不全など)に関心を持つ層や、SF要素(作中作)、現代的な恋愛・人間ドラマを好む層に向けて、作品の魅力を具体的にアピールします。
文学フリマ等への参加(将来的に): 物語が完結、あるいはある程度の区切りがついた段階で、一部を冊子化して文学フリマなどのイベントに参加し、直接読者に作品を届ける機会を作ることも考えられます。
2.本作の強みと弱みについて
強み:
独創的で現代的な設定・テーマ: 「本名/HN」の二重人格(非一体化)と、ネットとリアルの交錯・すれ違いという設定は非常にユニークで、現代社会におけるアイデンティティやコミュニケーションの問題を鋭く捉えています。自己探求という普遍的なテーマも根底にあり、多くの読者の共感を呼ぶポテンシャルがあります。
リアルで丁寧な心理描写: 主人公二人の内面の揺れ動き、葛藤、成長が非常に丁寧に描かれています。特に、瑞稀が失恋や仕事を通じて自信を獲得していく過程や、笠司が過去のトラウマやコンプレックスと向き合い、もがきながらも前進しようとする姿は、読者の感情移入を強く促します。
魅力的なキャラクター造形: 主人公の瑞稀と笠司はもちろん、彼らを取り巻く脇役(特に栄、灰田、カジ先生、弟の龍児、総務三人娘など)も個性的で人間味があり、物語に深みと彩りを与えています。彼らの関係性の変化も読みどころです。
作中作の効果的な活用: 二人の主人公が書く作中作(Twitter小説)が、それぞれの心理状態や抱えるテーマを反映しており、物語にメタ的な奥行きを与えています。特に熟読する読者にとっては、本編と作中作のリンクが大きな魅力となります。
構成の明確さ: プロローグ+12章+エピローグという構成と、旧暦の月名を冠した章タイトルにより、物語の時間的な流れが把握しやすく、一年間を通じた二人の変化を追体験しやすい構造になっています。
弱み:
スロースターター/展開の遅さ: 特に物語序盤は、主人公たちの内面描写や日常の出来事が中心となり、大きな事件や急展開が少ないため、読者が物語に入り込むまでに時間がかかり、離脱しやすい可能性があります。
構造の複雑さと情報量: 「本名/HN」の仕掛け、複数の作中作、多数の登場人物とそれぞれの関係性など、物語の構造がやや複雑で情報量も多いため、特に斜め読みや本編のみを読む読者にとっては、全体像を掴みにくく、難解に感じられる可能性があります。
長大なボリューム: 全302話(筆者註:現時点)という長さは、新規読者が読み始める際の心理的なハードルとなり、また完読までのモチベーション維持も課題となります。
地味さとカタルシスの不足(現時点まで): 主人公たちの内面の成長が中心であり、劇的な事件や派手なアクションが少ないため、強い刺激やわかりやすいカタルシスを求める読者には物足りなく感じられるかもしれません。(ただし、今後の展開で変化する可能性はあります)
HNでの交流描写の比重: 物語の重要な要素であるHN(月波と笠地蔵六)での交流が、主に作中作の投稿とDMでのやり取りに限られており、もう少し直接的なオンライン上での会話(スペースなど)や、互いのHN活動への言及などが本編にあれば、二人の関係性の深まりがよりダイレクトに伝わったかもしれません。
3.読者を得て読んでもらうべきか?最後まで書くべきか?
結論から申し上げますと、「はい、本作は読者を得て読んでもらう価値があり、そして何よりも作者様ご自身のために、最後まで書き切るべき物語である」と私は強く考えます。
読むべき価値:
テーマの普遍性と現代性: 本作が描く自己探求、コミュニケーション不全、ネットとリアルの関係性といったテーマは、現代を生きる多くの人々が(程度の差こそあれ)抱える悩みや感覚と共鳴するものです。登場人物たちの葛藤や成長を通じて、読者自身の内面と向き合うきっかけを与えてくれる力があります。
キャラクターへの共感: 瑞稀や笠司をはじめとする登場人物たちの不器用さ、悩み、そしてささやかな喜びは非常にリアルで、読者は彼らに深く感情移入し、その行く末を見守りたいと感じるでしょう。彼らの物語は、読者にとって「自分の物語」の一部となりえます。
独創的な物語体験: 「本名/HN」の仕掛けと、現実とネット、本編と作中作が交錯する構造は、他の作品ではなかなか味わえないユニークな読書体験を提供します。この複雑さこそが、本作の大きな魅力であり、読み解く喜びを与えてくれます。
書くべき価値:
作者自身のテーマの探求: ここまで詳細なプロットと302話に及ぶ物語を紡いでこられた背景には、作者様ご自身の強い問題意識や表現したいテーマ、キャラクターへの深い愛着があるはずです。物語を完結させることは、その探求を完遂し、ご自身の想いを形にすることに他なりません。
物語としての完成度: プロローグから始まり、一年間の時間経過を経てエピローグで締めくくるという明確な構成は、物語としての完成度の高さを予感させます。第11章までで提示された伏線や人間関係が、最終章とエピローグでどのように収束し、どのような結末を迎えるのか。それを描き切ることで、作品は真の完成を迎えます。
キャラクターへの責任: 瑞稀、笠司をはじめ、多くの魅力的なキャラクターたちが、それぞれの人生を歩み、変化し続けています。彼らの物語に決着をつけ、読者(そして作者自身)に納得のいく着地点を示すことは、キャラクターを生み出した作者としての責任とも言えるかもしれません。
潜在的な読者への応答: たとえ現在の読者数が少なくても、この物語を必要とし、深く愛してくれる読者は必ず存在します。彼らにとっても、物語が完結することは大きな喜びであり、作品との出会いをより価値あるものにするでしょう。
現在の読者数だけで作品の価値を判断する必要はありません。本作には、多くの読者を惹きつけるだけの独自性と深みが備わっています。あとは、それをいかにして届けるか、という課題です。
ぜひ自信を持って、この唯一無二の物語を最後まで紡ぎ上げてください。微力ながら、私もその完成を心から応援しております。