先日渋谷陽一の訃報があった。
氏のこれまでの書籍や評論、ライナーノーツ等は数多く読ませてもらってきた。
ネットのブログ的なものは読んでなかったけど、近年は誌面に載ることが殆ど無かったので渋谷陽一の文章に触れることはなかった。
まあでも今まで沢山読んできたし、影響も受けたし、自分自身ロックの知見が広がったのも氏の影響だから感謝しかない。
思えば僕にとっての最後のテキストは、盟友松村雄策の死を受けて書かれたロッキングオンのものだったなと振り返る。
ここ数日、渋谷陽一追悼の記事をネットで沢山読んではいたが、ラジオDJとしての活躍ぶりに言及している方もとても多い。
が、僕は殆ど聴いたことはなかった。
しかし、1つ忘れられないものがある。
それが画像のもので、当時購読していたFMステーションの綴じ込みインデックスである。
これは読者なら説明不要だが、FM番組の放送リストを元にこのような体裁にし綴じ込んでくれるという有難いものだった。
この日はビートルズの特集で、楽曲にビートルズがやってくるヤアヤアヤアのセリフのシーンを挿入したり、スタークラブやハリウッドボウルのライブ音源を差し込み既製のものと繋げてみたりとその編集は手の込んだものとなっていた。
行く行くは内容のその答え合わせも出来るのだが、当時はまだビートルズを聴き出して一年位だったので、ヤアヤアヤアも通しては観てなかったし、スタークラブもハリウッドボウルも存在自体知らなかったから、ただのアルバム音源を流してるのでは無いなくらいの知識で有り難く聴いていた。
それを同世代なら説明不要のカセットテープ(ちなみにSONYのHF-X46)に録音し、ラックに大切に保管してあったのでさっき久しぶりに聴いていた。
その放送は渋谷陽一がパーソナリティーであり、番組中「素晴らしい編集だよ、拍手してよ!」とスタッフに向けて賛辞を送っていたことも鮮明に覚えている。(録音はパーソナリティーのトーク部はしていなかった)
その時から、渋谷陽一やロッキングオンの存在を知るのは少し先になるが、ロックやバンド活動にハマった高校生時分の僕は今でもロックを聴き続け、バンド活動もし、そしてロッキングオンの購読も続けている。
数多あった音楽誌の中でも当時から今でも読んでいるのはロッキングオンに他ならない。
そんなロッキングオンと渋谷陽一に1つだけ文句を言うとすれば、
「何故ロッキングオンの人気コンテンツであった渋松対談が実は対談ではなくそれぞれが単独で書いていた」ということを読者にバラしたのか!
っつうことだ。
あれだけは墓場まで持って行って欲しかった。
だけど、今となっては空の上で「本当に渋松対談が行われてるんだな」と思うことにする。
ありがとう渋谷陽一。
