魔王軍グループチャット:『第2章・決算報告と今後について』
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ゼノン様(CEO):
いやぁ、ついに挿絵がついたな!
我ながら、この玉座に座る姿はなかなかの威厳ではないか?
背景の魔物たちもいい味を出している。 これぞ魔王軍のトップ!という感じだ。
アリス(CTO):
パパ、顔がニヤけてるよ。
っていうか、私の扱いひどくない?
なんでパパの足元で体育座りしてスレート(石板)いじってなきゃいけないのさ。
これじゃ完全に「パパの端末の設定を直してあげてる娘」じゃん……。
クリフ(CFO):
……。
私の立ち位置が「完全に仕事中の監査員」なのは解せませんが、事実なので諦めます。
それよりゼノン様、画像に浮かれている暇はありません。
ゼノン様(CEO):
おっ、クリフ君。今日も眼鏡が光っているね。
CFO就任早々、何か緊急案件かね?
クリフ(CFO):
緊急も何も、この画像自体の経費計上についてです。
この背景の魔物たち、エキストラとして雇いましたね?
「威厳が出るから」という理由で、10体以上の魔物を時給3,000マナで呼んだログが残っています。
【却下(リジェクト)】です。今すぐ彼らを帰してください。
ゼノン様(CEO):
ええっ!? せっかく並んでもらったのに!
彼らにも生活があるんだ、せめて交通費くらいは……。
アリス(CTO):
あーあ、パパまた怒られてる。
クリフ、ついでにパパの「勇者支援金」の振込予約、全部キャンセルしといたから。
セキュリティリスク(赤字)すぎるもん。
ゼノン様(CEO):
アリスまで! 勇者の装備がボロボロだと、戦う時にこっちが気まずいだろう!?
クリフ(CFO):
魔王様、甘すぎます。
第3章では「聖剣のボッタクリ」を暴きに行くのです。
そんな無駄金があるなら、我が軍の備品である「最高級プリン」の仕入れ価格を見直すべきです。
アリス(CTO):
ちょっと! プリンの予算カットはストライキ対象だよ!?
それは「福利厚生」だって言ったじゃん!
クリフ(CFO):
……チッ。
……とにかく、これからは私の許可なく一マナたりとも動かさないでください。
いいですね?
ゼノン様(CEO):
……はい。
(……誰が魔王なんだか分からなくなってきたな……)
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