「妹だから、お姉ちゃんを抱くのと同じだと思った?」
「別に、いいんだよ……想像より痛かったけど」
「ねえ、知ってた? 私、お姉ちゃんよりも早くから、貴方の事好きだったのよ?」
「悲しいなぁ……まっ、あの時と髪型も体形も違うから仕方ないか」
「ずっと、私の方が好きだったのに、お姉ちゃんはいつもそう、知ってか知らずか、いつも私の好きな物を取っちゃうの」
「今回も、知らないふりをして貴方に挨拶したけど、平静を装うのが大変だったわ」
「でも、お金がないからって、隣に妹が居るのに自分の部屋でエッチしちゃうなんて……居ないって言ってた? ふふっ、お姉ちゃんらしいなぁ……わざと私に聞こえる様に、大きな声上げちゃって……」
「そう、お姉ちゃんってば、私の方が貴方の事を好きだって、知ってたのよ」
「でも、其れでも、私の近くから去ってくれるのならよかったの……でも、まさか、結婚前にパパママと行ったドライブ先で、あんな事故に巻き込まれるなんてね……」
「ふふっ、心配性で月に一度は整備してたパパの車で、あんな不具合起きる筈ないのに……」
「口うるさかったパパママも居なくなって、そしてお姉ちゃんも……ふふっ、自分の目の前で、自分の婚約者と、いつも馬鹿にしていた妹とのセックスを見せられるなんて……植物状態って口も身体も動かせないけど、ちゃんと目の前で起きた事を認識してるそうよ……もし今お姉ちゃんが治ったら、私も貴方も、きっと殺されちゃうかもね……ふふっ、ふふふっ……」
……
……御疲れ様でした。以上を持ちまして、V.S.M.を終了致します……ご満足、戴けましたか? ってその顔を見る限り、聴く迄も御座いませんわね……。
ええ、勿論、御客様のプライバシーは当社が責任を持って保護致します。其の点は御安心をば。
……とはいえ、失礼ながらお客様が見られた「夢」は割とよくある願望ですわよ……この店に来るお客様は、誰しもが何かしらの「欲望」を持ち、其れを適えに来る……まぁわたくしも、お客様の様な……いえ、お客様のプライバシーを質問するのはタブーですたわね。
そう畏まる受付嬢を余裕ある笑顔で交わし、彼女は店を出て、自分の居るべき場所へ帰っていく……受付嬢は其の姿を確認した後、出て行った彼女の背中全体を隠すほど大きなカバンを背負ったデータ映像を見つつ「世も末ね」と呟いた。