【あらすじ】
思春期の少年少女だけが患う現代病『突発性解離性健忘』を発症した主人公は、その治療と学業のサポートを目的として創設された『かささぎ学園』に転入する。現代の過剰でしかない情報の流入を抑制するため山中に建てられた全寮制の学園は、一見ごく普通の高校のように思えた。しかし、転入直後からおよそ普通ではない現象に見舞われた主人公は、この学園に、そして自身や他の生徒たちには何か隠された秘密があるのではないかと疑念を抱く。
【登場人物】(生徒)
杉浦圭佑(すぎうらけいすけ)
本作の主人公。17歳の男子高生。母親と二人暮らし。
身長161cm 体重47kg
病状は重く発症前の記憶を全く保有していない。
女の子のような顔をしている。黒髪の短髪(ショートマッシュ)。
制服は学園から貸与された白色のワイシャツと紺色のスラックス。
朝比奈ヒナ(あさひなひな)
17歳の女子高生。
身長159cm 体重45kg
切れ長でぱっちりとした目をしている。
髪は天然の栗色で長さはミディアム。
制服は夏物のセーラー服。
小早川(こばやかわ)
17歳の男子高生。
身長180cm 体重85kg
体躯が大きく顔も少し厳ついが面倒見のいい性格。
黒髪短髪(ハイフェード)。
制服は学園から貸与された白色のワイシャツと紺色のスラックス。
渡辺(わたなべ)
17歳の男子高生。
身長171cm 体重61kg
圭佑の友人。
明るく活発な性格。バスケットボールが得意で暗いところが苦手。
黒髪短髪(ミドルフェード)。
制服は白色のワイシャツと灰色のスラックス。
関(せき)
17歳の男子高生。
身長172cm 体重64kg
圭佑の友人で渡辺とも仲が良かった。
黒髪短髪(ベリーショート)。
制服は白色のワイシャツに黒の学生ズボン。
町田千夏(まちだちか)
17歳の女子高生。
身長156cm 体重45kg
黒髪のロングであどけない顔立ちをした大人しい女子生徒。
制服は白色のブラウスに緑と紺のタータンチェックスカート。
赤堀(あかほり)
17歳の女子高生。
身長164cm 体重55kg
オールドタイプのギャル。
髪色は毛先が赤くセミロングで毛先が外にカールしている。
制服は白のワイシャツに紺色のチェックプリーツ。
【登場人物】(教職員)
宗方(むなかた)
三十代の男性教師。生徒指導担当。
身長177cm 体重60kg
黒いスーツにえんじ色のネクタイで動きに無駄がない。
口調は冷たいが生徒のことを軽視している様ではない。
黒髪の短髪を七三に分けている。
白鳥(しらとり)
五十代と思しき女性校医。
身長165cm 体重70kg
少しふくよかな体型でいつも白衣を着ている。
マイペースな印象があり生徒には慕われているらしい。
白髪交じりの長髪をひっつめ髪にしてまとめている。
安上(あんじょう)
四十代後半の男性教師。圭佑のクラス担任。
身長170cm 体重78kg
クマっぽい見た目と体型で事なかれ主義。
生徒にも基本は敬語を使う。
灰色のくたびれたスーツを着用している。
【用語等】
突発性解離性健忘
圭佑ら生徒が罹患している病気。
原因は不明だが、近年十代の男女だけが罹る謎の病気として世間を騒がせている。
その症状は名称にある通りで突如として記憶を喪失し、時として離人感を伴う。
特攻的な治療法はないが、情報の入力を極度に遮断した生活を行うことで、半年から一年ほどで寛解することが知られており、予後も非常に良いとされる。
独立行政法人青少年特定疾患支援機構附属かささぎ学園
圭佑らが通う突発性解離性健忘の治療および患者の社会復帰を目的とし、国の試験的なプログラムの一環で設立された施設。
ここに来る生徒は以前に居た学校に籍を残したままの転入という形を取り、症状が改善すれば戻ることができる。
全寮制で授業のほとんどは教師が板書した内容をノートに写すだけという単調なもの。
山中に建てられた三階建ての二棟の校舎は、教室があるのがA棟で職員室や特別教室のあるのがB棟となっている。
学園の敷地は広大だが、高い壁で周囲と分け隔てられており、最も近い集落までは車でも30分以上掛かる。
学生寮
個室を備えた平屋の建物で、男子寮と女子寮がある。
寮内には15部屋の居室と談話室に食堂、そして浴場がある。
食事や洗濯は外部委託の業者により賄われ、玄関のドアは22時には自動で施錠され朝の6時に解錠される。
学園(教師)の監視はほとんど及んでいない。