カクヨムで『記憶の檻』(教授と刑事シリーズ・全三話)を読んでくださった方、ありがとうございました。
あの連作のテーマは「記憶は嘘をつく」でした。目撃証言という、いちばん頼りになりそうで、いちばん脆いもの。
実はもう一つ、同じ場所を反対側から掘っているシリーズがあります。Kindleで公開している『柚木刑事シリーズ』(全三巻)です。こちらの主題は記憶ではなく〈記録〉。──調書のたった一行の切り貼りが、人を三十三年埋めることがある、という話です。
主人公は、県警の窓際にいる昼行灯の老刑事・柚木数馬。定年間際の彼が、時効の壁の向こうに置き忘れられた事件を、静かに掘り返していきます。
▼『記憶の檻』を読んだ方に、まずおすすめしたい一冊
第二巻『二十五年目の放課後 ―冤罪と贖罪の警察ミステリー―』
二十五年前、中学校の屋上からの転落死。二十五年後、取り壊しを待つ廃校で老教育者が死に、出所した元教師が「私が殺した」と出頭してくる。動機も供述も完璧。ただ一人、柚木だけが首をかしげます――「あの自白はね、誰かを庇っとる人間のもんです」。
『忘却の岸』の三十二年と、同じ地下水脈でつながっている一冊です。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0H98HD297
▼シリーズ一覧(各巻それぞれ独立した事件なので、どの巻からでも読めます)
第一巻『鏡の湖 〜涙する家族ミステリー二篇〜』
真冬の信州。老舗旅館の当主が、氷点下の夜にコートも着ずに展望台から転落死した。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0H8X5FF4Q
第二巻『二十五年目の放課後 〜冤罪と贖罪の警察ミステリー〜』
https://www.amazon.co.jp/dp/B0H98HD297
第三巻『冬の身代金 〜柚木数馬の事件簿〜』
一九九五年。消えた身代金八千万円と、汚名を着せられたまま消えた一人の刑事。柚木自身が三十三年背負ってきた事件です。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0HC9ZLZQK
いずれもKindle Unlimitedなら追加料金なしで読めます(単品は各五百円)。Amazonで「柚木刑事シリーズ」、または著者名「あおうえい / しん」で検索してもたどりつけます。
もちろんカクヨムの方も続けます。連載中の『たそがれ色のカフェオレ』と、歴史ものの『焔の残響 ―本能寺の変―』もありますので、よろしければ覗いてください。
感想も★も、次の一冊を書く燃料になります。ここまで読んでくださって、ありがとうございました。