碧木です。2023年2月25日より「君の消えた日-二度の後悔と王朝の光-」という小説を書いています。
早いもので小説を書き始めてから4年目となりました。私がこうやって心健やかに小説を執筆できているのは、この画面の向こうにいらっしゃる皆様のおかげです。
私は器用なタイプではないので、一つの小説をずっと書き続けており、物語も第一部がようやく佳境に入ってきました。手探りの中で小説を書き続けてきて、分かったことがあります。
それは、結局、私は読んで欲しくて小説を書いているということです。
様々な理由で小説を書いていらっしゃる方がいると思いますが、私は小説家を目指している訳ではありません。自分が描きたい物語を、描きたい形で、がむしゃらに描いてきました。
本来は、私が描きたくて描いてきた小説。
しかし欲張りなものでして、やっぱりこの小説を誰かに届けたいのです。
私はWEB小説でのニーズや投稿頻度、体裁、どうすると読まれるのかなど、不勉強なまま投稿を始めたので、最初は全然読まれませんでした。人気のジャンル、皆様が好きなタイトル、1話目からの展開――全部無知なまま、自分の描きたい流れだけで描きました。今思えば、読んでもらうための準備が圧倒的に不足していたのだと反省しています。
4年も経つと、私の小説から離れる方もいらっしゃいました。皆様が喜ぶ流行の作品ではなく、自分が描きたいものを貫いてきた結果だと受け止めています。
日常から描き始めて、徐々に非日常とダークファンタジーを描いていく。執筆当初からの目標ではありましたが、ついていけなくなる方がいるのも無理はありませんでした。
そして100話目前になったとき。なかなか数字が伸びず、描き続けるのがしんどいと思っている自分に気づきました。
描きたいから勝手に続けてきたはずなのに、私はやっぱり誰かに読んで欲しかったのか。誰かとこの思いを、物語を、世界を、共有したかったのかと、はっとさせられました。
そこからはAIにも力を借りて、WEB小説仕様に変えたり、0話のエピソードを導入できる形に変更したり、あらすじを見直したりと、もがきながら試行錯誤をしました。
私がこの物語でどうしても描きたかったのは、悩みながらも過酷な運命に抗っていく主人公たちの強さと、圧倒的に「リアルな世界観」です。
執筆を始める前の3年間、私は神祇官や当時の貴族の暮らし、内裏に関する文献を読み漁りました。それだけではありません。伊勢神宮や斎宮跡でのフィールドワーク、歴史公園えさし藤原の郷で寝殿造りを実際に肌で感じ、大学で開催された延喜式の外部セミナーにも足を運びました。
突拍子もないファンタジーではなく、実際の平安時代の制度や時代背景という「本物の土台」の上に、この物語の息遣いを織り上げたかったからです。
その緻密な世界に降り立つ主人公たちは、決して絵空事の英雄ではありません。
前世の記憶を持たず、自身の覚醒にも無自覚なままの等身大の高校生である永遠。彼がいるからこそ、この濃密な世界に圧倒的な没入感とリアルが生まれます。
一方で、神官の家の出身で前世の記憶を持つヒロインの柊。華奢な外見に反して過酷な戦闘訓練を積んだ強靭な身体性を持ち、不器用ながらも皆を守るために奔走する。強くて格好良くて、それでも一人の人間としての脆さを抱えた女性です。
彼らをはじめとするキャラクターたちが、ただ強いだけでなく、リアルな家庭の事情や背景を抱えながら必死に生き抜く姿を、私は精一杯の愛を込めて描き込んでいます。
そんな折れそうな私の心を救い、再び立たせてくれたのは、皆様から頂いた様々な形での「応援」と「体温」でした。
いつ離脱してしまうか分からないような不安な時期にも、SNSで言葉を交わしながら伴走してくださった方。
私の小説のヒロインを描くために、なんと100話近いこの物語をもう一周最初から読み直して、イラストを描き上げてくださった方。
そして別の場所(note)で、今まさに一生懸命に過去のエピソードを追いかけてくださっている方。
そうした目に見える熱い想いに触れたとき、私は気づいたのです。
カクヨムはアカウント登録がないと応援アクションができない仕様です。だからこそ、数字やコメントには見えないだけで、ひっそりと静かにこの物語を見守ってくれている「名もなき読者様」が、他にも確実にいるのだ、と。
さらに作品の形を少しずつ改善していくうちに、最近では一気読みをしてくださる方や、毎日少しずつ読み進めてくださる新しい読者様の気配も感じるようになりました。
そしてもう一つ。私の小説を読んでいなくても、SNSでずっと温かい言葉をかけ、応援し続けてくださる方々の存在にも、どれほど救われたか分かりません。
読書には好みがあります。私の書く物語が好みに合わなければ、お互いに作品を読み合うことができないのは仕方のないことです。それなのに、作品の枠を超えて「書き手としての私」を見守り、励まし続けてくれるその優しさに、背中を押されました。
熱烈に愛してくださる方も。
静かに見守ってくださる方も。
新しくこの物語に出会ってくださった方も。
そして、執筆という活動そのものを応援してくださる方も。
皆様の温かい『体温』に触れ、この物語がすでに誰かの心に届いているのだと実感できたとき。私は心から喜び、震え、最後まで書き切る覚悟をもらいました。
だからこそ、私は欲張りになってしまったのです。
皆様と一緒に育ててきた、この愛しいキャラクターたちの生き様を。二度の後悔から始まる、この熱い王朝の物語を。もっともっと多くの人に知ってほしいと、強欲な夢を抱いてしまいました。
100話を超えた物語に新しく触れてもらうのは、簡単なことではないかもしれません。長編というだけで敬遠されることもあるでしょう。それでも、決して逃げずに積み上げてきた100話以上の足跡は、私がこの物語を最後まで投げ出さないという最大の「証明」でもあります。
100話を超える素人の小説を、ここまで読んでくださっている皆様には、感謝しかありません。皆様はもはや私にとって、ただの読者ではなく、この長い旅路を共に歩んでくれた大切な戦友です。
私にできることは、この物語を最後まで結ぶこと。全力で描き切ること。
完結をお約束するべく、私は今日も自分の作品と向き合います。
だからどうか、私がこの物語の最後の1ページを書き上げるその日まで。
一番近くで見届けてもらうと同時に、これから訪れる新しい読者様を、私と一緒にこの場所で出迎えてもらえませんか。
