以上、某稲妻大賞で最終選考一歩手前まで行った作品でした。小さなコンテストでの入賞経験を除けば、これが当方の最高戦績ということになります。
選考通過のご褒美といえばそう、選評です。当作品は恐れ多くも4次選考まで上げていただいたため、大変ありがたいことに5名の方からご意見を賜りまして、体感的には褒め言葉:1.2 改善点:8.8くらいの割合でした。
以下、主にいただいたご指摘です。選評をそのまま転載するのはご遠慮くださいとのことなので要点のみになります。
●先生が魅力的じゃない
●高校生相手にやりすぎ
彼に代わって弁明させていただきますと、普段はあんな、試し行動を取るような人ではありません。常日頃からあの態度なのであればさすがに各方面から苦情の嵐です。一般生徒が授業の合間に世間話をしたり、課題を見てもらいに来る程度には人望もあります。
前代未聞の突っかかり方をしてきた上に、ただならぬ事情を抱えている気配を六花の様子から察知し、どうにかしたい一心で彼もいっぱいいっぱいだったがゆえの、追い詰められてのあの言動なのです。
そこを引っくるめて上手く書けていなかった、己の力不足でもあります。
●10年も前の恋引きずりすぎ
そんな感じの出だしのタイムリープものが一世を風靡していたと記憶しているのですが、素人がやるのは駄目みたいです。というか、初っ端の設定丸被り……アニメ化してから存在を知り、視聴はそのさらに後だったもので全然気づきませんでした。こっちはサスペンスじゃないし。
そして個人的には10年だろうが20年だろうが余裕で引きずりながら生きています。恋愛に限らず。
というわけで、このご指摘はちょっと納得いかなかったです。そういう経験、ない人はとことんないのかもしれません。万人受けはしない、ということがわかりました。
●渡し屋の目的の未開示
実はこの作品、タイトル変更と所々の微修整を施した上で2年連続同じ賞に応募しています。1度目の結果は1次選考落ちでした。
1次落ち――それすなわち1人にしか読まれていないということ。せめて2人以上に読んでジャッジしていただきたいという思いがどうしても捨てきれず、「まったく同じ作品の再応募はご遠慮ください」とのことでしたので、誤字脱字修正ついでにここが駄目だったのかなと思う部分を細々直し、数字で区切っていただけだった章立てに小見出しを付けてみたりしました。
それでも話の流れや大半のセリフ、シーン演出等は変えずに挑んだ2度目の結果、4次選考落ち。
1次落ち作品にはぜひ、もう一度チャンスを!
経験者だからこそ強く、そして何度でも言います。
1次落ち作品は、多少手直ししてもう一度同じところへでも別のところへでも出し直してみるべし!!
今回カクヨムでアップするのに際してほとんど2度目の原稿を生かしていますが、エピローグのみ1度目応募時のものを採用しています。
「続編を匂わせる締め括りは新人賞では減点対象」たるアドバイスを見かけたことで、2度目の応募では1度目応募時のエピローグを丸ごと削り、「雪晴」を最終章としたものを提出。
したらば今度は結末の不足を指摘され……嗚呼、板挟み……
そしてただ今、修正版を鋭意執筆中です。修正というか、もうほぼ最初から書き直しレベルですが。前作は参考資料として見返す程度の位置づけで、登場人物は一緒でも世界線が違う、とでも言いましょうか。パラレルワールドだと思っていただいて構いません。
○登場人物の名前微変更
メインどころの下の名前は変わりませんが、全体の仕様変更に伴い苗字が変わっています。微妙に違うだけの人もいますが誤植ではありません。
ちなみに主人公・六花氏、苗字が変わるのこれで2回目です。まるで親が離婚して自分が結婚したかのよう……違いますけどね。1回目応募と2回目応募ですでに違うのです。
理由は、1回目応募の際に使った苗字だととある著名人を連想されたかもな、という反省から。最近はあまりお見かけしないのですが、当時立て続けにメディアに出演されていて、そのたびに(あっ……)とひとりで気まずくなっていた思い出。
「ヤ行女子」は変えたくなかったのと、佳境でガッツリ叫ばれることもあって響きも重視していたので苦渋の決断でした。
原稿の中のすべての苗字を修正するのが地味に大変でして。どこで呼ばれていたっけ? と振り返りながら結局全ページ確認し、案外呼ばれていなかったことに気づくという……途方もない作業ですよ、あれは。
○先生の優しさ7割増し
これでもかとばかりに棘という棘を削ぎ落としましたよ。彼、高校ではなく幼稚園の先生だったかしら? と作者が錯覚するほどに。
正直、あまりに甘すぎる男は作者の好みではないのですが、巷では激甘優男が流行っているようですのでトレンドもある程度押さえなければならないのかなと。自分の中の好きを抑えて、世界へ歩み寄る努力をしました。
○渡し屋の設定を大幅に変更
そもそも「渡し屋」って呼称、怪しさを通り越して犯罪臭がしますよね。薄々感じてはいたのですが、適当な言い回しが思いつかずそのままになっていました。
そんなわけで「渡し屋」の名をきれいさっぱり取り払いましたが、例のおじさんは変わらず出てきますし、口調や性格もそのままです。
渡りの対象者も「過去に未練や後悔がある人」というあやふやな区分けではなく、他の誰でもない、六花が時を渡らなければならない必然性を取り入れました。
○六花→晴臣への10年越しの恋設定廃止
今作の六花さん、開幕当初は先生への恋愛感情はありません。良い先生ではあったけれど、それ止まりという感じ。
ある程度好感度が高い状態からスタートするよりも、かかわっていく中で人となりを知り、関係性が盛り上がっていく過程を描いた方がいいのではないかという結論に至ったためです。
さらに序盤のとある失態で早々に未来人であることが先生にバレます。相変わらず失態犯しまく六花ちゃん。
10年後の人間であるとわかった上で、同い年トークを楽しみつつ協力しながら目的を遂行する一方、秘密にしていることもあって――みたいな。
バレないように、とすればするほど伝えたいことがほぼ伝えられないでヤキモキし続けて終わるというのが、一作書き上げ、さらに時間を置いて読み返してみたことでよくわかりました。
正体がバレたら終わりというのも、悟られた時点でなのか、はたまた直接指摘を受けた時点でなのか、その境界線が曖昧だなと感じていたので、終わりのルールを明確に定めています。
ええ、そうです。
選評でご指摘を受けた箇所はすべて潰しにかかりました。
せっかくここまでたどり着いてやっとのことでいただいたご意見、無駄にしてたまるか!!! の精神で。
もう、このお話は終わりでいいのでは? ひとりの子(作品)にあまり執着するなと、プロの作家先生方も仰っていることですし、そろそろ見切りをつけて次に進んだ方がいいのでは?
そう考えて別作品に取り掛かってみても、ことあるごと気になってしまう。最善の形に仕上げてあげられなかったこの子のことがいつまでも引っ掛かり続けて、先へ進もうとする筆を遅くさせる――そんな日々でした。
この形で世に出る可能性がゼロとなった今、こうして供養する気持ちの整理ができたためアップした次第です。
最後になりますが、こんな弱小ページを見つけ、足を運んでくださり、さらには反応までくださったみなさまに感謝申し上げます。ありがとうございました。