ずっと昔から、不思議に思っていたことがある。
全員がうなずいてくれるか定かではないが、普段ご飯を自分で炊いて食べている人なら、或いは共感してくれるのではあるまいか。
米を研いで、炊飯器にセットする。
……以前はガス釜だったため、予約炊飯などという便利なものは無かった。それ故、そこに疑問を持つこともなかったのだが……。
知っての通り、米というのは研いですぐ火にかけてはいけない。全くの間違いではないが、理想は三十分以上浸水させるのがよい、とされている。ここまでは、OK……?
ガス釜の場合は、30分たったら水加減を確認、そのまま点火する。
しかし電気炊飯器の場合、明日の朝五時に炊いて下さい、等というわがままも叶えてくれる。この機能のお陰でどれほどの者が救われていることか。
だが、はじめて電気炊飯器をさわるとき、私は戸惑った。
明日の朝、ということは水加減まで含めて今セットしなければならない。気になったのは、この場合の水加減とは「含水前の状態で計測してもいいのでしょうか?」ということだ。おおよそ、大抵の物質は水を吸ったらその分膨らみはするが、吸われた水は減るものだ。
そう、
【このセットした水の量は明日の朝にはズレているのではないか……!?】
という疑問だ。
私は酷く心配した。
明日は全員分の弁当を詰めねばならぬ。もし失敗でもしていたら、炊き直す時間など有りはしない──
熟慮の末、私は予約タイマーを二時間早め、失敗しても炊き直せる猶予を持たせることにした。
そして、炊飯器が起動する10分前に目覚ましをセット、火が入る前に再度水の量を確認することにした、なんのための予約機能か!?
……結果、炊飯器内の水面の位置は含水前と変わっておらず、その後、ご飯もちょっと柔らかめながらちゃんと炊けていた。
米というのは、水を吸ったら正確にその分だけ膨らむ物質らしい。そうでなければ含水前とあとで、水の量(水面位置)が変化するはずだからだ。
道理で、含水前とあとで使う目盛りが共通なのはおかしいと思っていたのだ。
炊飯器メーカーはもちろん、家庭の主婦の皆さんは、この物理法則(?)をずっと以前から知っていたと言うことになる。
……疑問とか違和感とか、なにも考えていませんでした、という御仁がいらっしゃったら、いまここで白状なさい✨
追記:
この解釈が合っているのかどうなのか、書いたら余計にモヤモヤしたので、この文章をそのままGPTさんに読ませて、「この解釈が正しいなら、米って実はけっこう珍しい性質なんじゃね?」
と質問してみました。
なんか、えらい褒められましたw
結論から言うと、けっこう珍しい物質らしいです。