――その時、すぐそばで水が激しく割れる音が響いた。
強い水流の中、誰かが勢いよく近づいてくるのを感じながら、私は冷たい水に意識ごと呑み込まれ、緩やかに暗闇へと沈んでいく。
次の瞬間、力強い腕が私を抱き抱えてくれていた。その体温に包まれ、ぼんやりしたまま、全身の感覚が遠のいていく。
ただ、そのぬくもりだけを頼りに、私は意識を手放していった。
その刹那、不意に肺に空気が送り込まれる。
それは温かくて、優しくて、苦しさから解放されていくようで――
ぼんやりと意識が戻ったとき、目の前には見慣れたソラの姿があった。
頼もしく力強い腕はそのまま私を包み込み、迷いなく水面へと引き上げていく。
その腕から伝わる体温は、水の冷たさとは対照的に温かく、震える身体を優しく包んでくれた。