学園の卒業パーティー。たった一人で姿を現した私、カリスタ。会場内はざわつき、私へと一斉に視線が集まる。 　――卒業パーティーで、私は婚約破棄を宣言される。長かった。とっても長…

「アイリーン、貴様との婚約を――」 「破棄するのですね、かしこまりました。喜んで同意致します」 　私、アイリーンは転生者だ。愛読していた恋愛小説の悪役令嬢として転生した。とはい…

　とある城で行われた、とあるパーティー。 「――シャーロット、君との婚約破棄を宣言する！」 　王太子であるリンジーは、自身の婚約者にそう宣言した。 　シャーロットは大きく目を…

　本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。 　……結婚記念日を過ぎてから帰…

「すまないね、レディ。僕には愛しい婚約者がいるんだ。そんなに見つめられても、君とデートすることすら出来ないんだ」 「え？　私、あなたのことを見つめていませんけれど……？」 「な…

両親は日中仕事で家にいないけれど、優しい祖父母が待っていてくれる。 そして、その日も――、早く帰って来た日葵と一緒に昼食を食べてくれた。 それだけでも、日葵の寂しさは紛らわせる。…

私には秘密がある。 それは――お隣に住んでいる大学生に、恋をしていること！

本日、お母さんの再婚相手と、その息子さんと初顔合わせです。 松本さつき、高校一年。 話の流れで、わたしの通っている高校の受験を考えている田所始くんの、家庭教師になっちゃいま…

　しんしんと雪が降っている中、パトリシアは婚約者のランドールの帰りを待っていた。 　ランドールは寒い中待っていてくれたパトリシアに愛しさを覚える。 　しんしん、しんしん、ふた…

　新調した靴が合わなかったのか、歩きすぎたのか、つま先を怪我してしまったナタリア・エイヴァリー伯爵令嬢。 　転びそうになったところを偶然通りかかった人に助けられて――？

　内乱が終結し、領地に帰ってきたジュリアン。 　勝利を手にした彼には、ひとつ悩みがあった。 　血で汚れた手で婚約者のルシールに触れてもいいのだろうか、と。 　だが、ルシール…

氷の城に住んでいる女王、プリシラ。 彼女はずっとひとりで生きていた。 自分が氷の城に住んでいることを隠し、村まで食材を調達にいった帰り、城の近くで誰かが倒れているのを見つける…

　――ひたり、ひたりとなにかが近付く足音。 　誰かが私のことを見下ろしている感覚――……。 　美沙は大学でできた友人の杏朱に、最近の悩みごとを話す。 　神社でお守りをもらい、そ…

　五分前に恋人が浮気している場面を見つけて、別れてきた。 　家に帰る気分になれず、バーで過ごすことに決めた私に、「こんばんは。お隣、よろしいかしら？」と声をかけてきたのは――中性…