皆様、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
高校へ進学し、壊れた肘。それでも打者として打率五割を超えるほど必死にバットを振り続け、四番に座った息子。
すべては父親が自分の無念を晴らすための「完璧な復讐」になるはずでした。
なのに、高校二年の冬、突如として告げられた「野球、辞めるよ」の一言。
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、本作では「息子の心情の内面」や「やめる本当の理由」を、あえていっさい書いていません。
理由が明かされないからこそ、父親は怒りをぶつける相手(責任)を見失い、最後の「ふざけんな……バカヤロウ……」という、行き場のない深い絶望へと着地します。そして同時に、読者の皆様にも「息子はどんな気持ちで打席に立ち、どんな思いで辞めると言ったのか」を、父親と同じ場所で想像してみてほしかったのです。世にあふれる綺麗事のスポーツドラマではない、人間のエゴと呪縛を詰め込んだ人間ドラマ、皆様の目にはどう映ったでしょうか。