意外と没案がどんな感じなのか気になる方がおられる様なので、この機会に晒してみようかと思います。
基本、今回は完全に話の流れが気に入らないパターンです。面白くはありますが、別に今やらなくていい、と言うタイプです。
この手の物は本来誰にの眼にも留めずに原稿フォルダーの肥やしにするかムカつくので消去するかです(笑)
ただ、どう言う話が消えているのか、それを知りたい人もいる様子なので、一度サポーター向けにやってみましたが、今回は一般向けにも晒してみたいと思います。
ぶっちゃけタダの恥なので公開したくないのですが、まぁ興味があるというので一度位はやってみようかな、と(笑)
尚、↓以降はその書き換えた原稿で、本日投稿予定の冒頭の2ページ分位です。
只今絶賛書き直し中です(笑)
何れ上がる本編と後で読み比べれば違いは一目瞭然かと。
ではお楽しみください。
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クリンによって改修された剣鉈は、前回の物よりも肉厚になり、柄も二センチ伸びている為に重量もそれなりに増加してしまっている。
また柄が伸びたお陰で全長も伸び、刃渡りは変わらず一尺だが全体サイズは四十五センチになってしまっていた。
「ちょっと、今のカルロさんの身長だとギリギリショートソードに含めようと思えば含められちゃうサイズ何ですよね。ただ年齢的にはまだ成長する筈ですから、何れナイフとして認定されるでしょう。それまではなるべく調べられないようにするか、計測されるときは腕を出来るだけ伸ばしてからにするしかないですね」
と、クリンはカルロに改修した剣鉈を渡すのだが、受け取ったカルロの方は、
「重っ!? え、なんかぶ厚くなってない!? 何か前とは別物並みに持った感じが違い過ぎるんだけど!?」
と、余りにも変わってしまった使用感に驚きを隠せない様子だ。重ねを三ミリ増やしたし、柄尻も金属部品を追加しているので確かに重量は増加しているが、それでも一キロも変わっていない。精々が三、四百グラム程度の増加だろう。それでも普段から使用して来たカルロにはほぼ別物と思う程に重く感じる。
「折角あの重さになれたのに、これじゃぁ使用感が変わっちまって扱い難いぜ」
例によって謎商売のお姉様に露店を任せ、リッテル達のボロアパートの中庭を借りたクリンから剣鉈を受け取って、何度か振って見たカルロは不満そうだった。
「言いたい事は十分わかります。ですが、あそこまで歪みが出てしまえば単に歪みを取っただけだと捩じれ癖が出る可能性が高いです。本格的に修繕するなら補強は絶対です」
「え~前の方が良かったなぁ。見た目はそんなに変わらないけど、ココまで刀身がぶ厚いと鉄板みたいで不格好だしさぁ……握りも下が飛び出る感覚がどうも慣れねえなぁ」
と、あくまでも不満顔を崩さないカルロに、クリンの商売用の笑顔を張り付けた顔がピシリと固まり、額に青筋の様な物が浮いて来る。
「いいですか、カルロさん。前の剣鉈は確かにあの時点では完成されていました。あの状態があの剣鉈には確かにベストだったんですよ。ですがね、そのベストだった剣鉈を! たった数カ月で刃ぁボロボロにするわコジって刃先掛けさせるわ捩じれに歪みに曲がりを付けた馬鹿野郎が居ましてね、ええ!! 同じ物を作ったら同じく数カ月で曲げるだろうがこのクソボケが!! テメエの腕が上がるまでなんて待ってられねえんだよコチとら暇じゃねえんだからな! ならテメエのヘボい腕に合わせて耐えられる構造にするしかねえだろうが、ああん!? 数カ月で使い物にならない剣鉈なんてそんな恥ずかしい物渡せるか! テメエの雑さを見越して簡単に曲がらねえようにしたんだ、有難く思えや!!」
最初こそ丁寧口調を維持していたが、話している内にスイッチが入った様子だ。最終的には瞬間湯沸かし器モードでカルロに詰め寄り、剣幕に負け「へぼい腕」と評された少年はカクカクと機械的に頷くしかなかった様子である。
最も、カルロとしても自分の使い方が雑だった自覚はあり、あそこまで歪んで刃が欠けた剣鉈が立った数日で別物と呼べるくらいにぶ厚く丈夫そうになって帰って来たのだ。
本気で不満があった訳ではなく、前の形状に愛着があっただけであったのだが、クリンの主張も尤もだと思い、最終的には「悪かったよ」と謝罪しながら剣鉈を受け取った。
カルロとの一幕でシズラが委縮し、剣を受け取った時はカチンコチンに緊張した様子だったのだが、クリンの、
「こちらは特に言う事は無いです。錆と擦れを落としただけで大した手間ではありませんでした。ただ、使われない道具と言うのもそれはそれで問題があります。遠慮なく使ってやってください」
と、ペコリと頭を下げながら言われたので、シズラはホッと胸をなでおろしつつ片手剣を受け取る。
「俺ん時と扱いが違いすぎねぇ!?」
カルロがそう文句を言うが、ジロリとクリンに睨まれて押し黙る。
「当たり前でしょう。テメぇ……ゴホンッ! 貴方は普通は壊れない物をたった数カ月でぶっ壊しかけた馬鹿野郎です。同じ扱いな訳がないでしょうが!」