没部分は本来そのまま闇の中なのですが、コレはコレで面白いと思って残しておきました(笑)
サポーター様限定にした物と全く同じ、385話の冒頭の1ページ位の所が丸々かえてあります。というか、シズラの奇声以前が丸々消した、と言う感じです。
一応その後の展開も変更に合わせてつじつま合わせで細かく変わっていますが、基本は本文と同じです。
ですので冒頭部分の違いを楽しんで頂けたらな、と思います(・∀・)b
これもネット小説ならではではありますしね(笑)
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「はい、ではお待ちかねの……こちらが商品の剣になります……ええ、ここで売っちゃうと目撃者も居るのでガッツリと税金取られちゃうので、実は街の外での取引が望ましいのですが……」
「クリン君、それは脱税だねぇ~」
「と言うか、それテオドラ様の所に実は保管していたでしょ? 持ち込んでいる形跡ないから、それも一応保管料と言う名の税金かかるんだよ?」
「……と、細かい事を言う大人が居るので、諦めてちゃんと税金は払いますとも。因みに、この剣は持ち運んだ時には実は刃を付けないで持ち込んでいます。つまりただの鉄板状態ですね。なので持ち込んだ時は鉄板か鉄棒として処理されているので、武器の持ち込みには当たっていません。そして、持ち込んでからドーラばぁちゃんの所で道具使って刃を付けています。なので、この剣は『この街で作られた剣』と言う事になり、持ち込んでからの保管には当たらないので、税金は掛かりませんので、合法です」
「うわ、セコ! やる事セコっ! そんな屁理屈持ち出してまで税金払いたくないんだ」
「それ、中々のグレーゾーンだよ? と言うか、八歳でちょっと税制の抜け穴見つけ過ぎじゃない?」
クリンがリヤカーもどきから厳重に布に包まれた自作の剣を取り出すのを眺めながら、謎商売のお姉様方が呆れている。
クリン自身も明確にこのお姉様方の職業や身分を知っている訳ではないが、明らかに体制側と取れる言動をしているお姉様方にビッチリと張り付かれてしまっては、そうそう法に抵触する行動がとれない。
彼的には一生懸命この街での法律を調べ上げ、抜け道を見つけたと言った所である。こうして布で包んでいて直ぐに使えない様にしているのも、この街の中での武器売買の際の規則に則っている為だ。
「ま、でもちゃんと剣として売って、ちゃんと税金も納めるのですからそこは見て見ぬふりをして欲しい所ですね」
すまし顔で言ってのけ、布を剥がして剣をソワソワしっぱなしのシズラに見せる。
「こちらで宜しいでしょうか、お客様?」
「うわ、なんかカッコつけてる!」
「そこだけ商人っぽくするんだ。何か基準が分からないよねー」
「シャラップ! さっきからヤイノヤイノと煩いです! 僕は今露天商なのですから様式美と言う物はちゃんと守りますよ! ゴホン! 兎も角。剣を剥き身で売るのも片手落ちと言う物。コチラの鞘と専用のベルトも一緒にどうぞ」
と、クリンが剣を鞘に納め、その剣を下げるための剣帯としても機能するベルトをシズラに見せると、
「ふぉ……ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」