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194話 義経一行、関所を嘘で通りぬく 投稿しました

https://kakuyomu.jp/works/16818792438048725794/episodes/822139836873229422

ここは三の口の関。松明の火が獣の目のように赤く揺れ、番兵の刃は冷たく光る。義経一行は山伏の姿で通行を試みるが、疑念は尽きない。弁慶は言葉と振る舞いで白紙を満たすかのように勧進帳を語り、さらに己の身を犠牲にして主の身元を守る。川を渡り、小社で糧を分け合う一夜――雪が舞うその夜、嘘が命を繋ぎ、覚悟が一行を前へ押し出す。退却ではなく、生き延びるための戦法。義経の都落ちを、祈りと鉄の音が刻む序章。

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