永原はる

ある種、月裏ひよりは誰よりも誠意ある推し活をしている。と思う。ここまで己の欲求を殺して、推しを推すという使命に忠実なオタクを、私は月裏以外に知らない。 まあ、かなり歪んだ愛だし、…

脚本家の渚は、多種多様な“自分”を使い分ける偏屈な女性「三波」と出会う。 彼女は、VTuber・花ヶ崎りりの“魂”であり、それゆえに誰にも素性を明かさない。 だからといって、小…

名も知らぬ君と、いつかどこかで会えたなら。 　　　＊＊＊ 【あらすじ】 「もしも3回会えたらさ、シよう？」 都会の少し外れ。人口ギリギリ10万人未満。そんな街の、ある土…

磯千鳥凪咲は二十七歳だった。あなたは十八歳だった。 二人は年の離れた姉妹のようで、あるいは保護者と子供のようで、まさか恋人同士には見えない。ホテルに戻ったあとで、ベッドの上、素肌…

初恋の女の子が死んだ夏、私は青春18きっぷで地元に帰る。

友人と恋人の境界線を越えられない「私」と「朱音」は、「友人名詞」と「恋人名詞」の分別について考えている。

ある夜、舞台女優・冴子は、恋人であり劇作家の渚に引退の意思を伝える。