官報に名前が掲載され、紺綬褒章を賜ったことが正式に分かりました。
官報に掲載されたのは2025年(令和7年)10月10日。この日金曜日。ちなみに令和7年は昭和換算で100年、つまり昭和100年10月10日。人によっては記憶に残る日になるようです。私にとっても覚えやすい日となりました。
その官報に「九月二十七日、紺綬褒章を授かった者は次のとおりである」つまり記載された決定日付は9月27日。こちら土曜日。
しかし本来休みである土曜日に何かが決まったわけではなく、本当に決まったのは前日26日。この日何があったかというと「閣議」があったのです。
内閣官房内閣広報室のWebページには「閣議の議事録」が掲載されていて、そこには
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開催日時:令和7年9月26日(金) 9:22~9:30(筆者感想:短い!)
(略)
閣議案件:別添案件表のとおり。
○一般案件 2件
○国会提出案件 3件
○政令 4件
○人事 3件
○報告 4件
いずれも、案件表のとおり、決定、了解等となった。
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と記載されています。この中の「人事 3件」は次の通りです。
☆ 環境大臣浅尾慶一郎の海外出張について(了解)
○ 各府省幹部職員の任免につき、内閣の承認を得る ことについて(決定) 〃
☆ 岐阜大学名誉教授黒木登志夫外 730名の叙位、 叙勲又は紺綬褒章等授与について(決定)
この最後の叙位、叙勲の後に「紺綬褒章等」と書かれている部分が今回の紺綬褒章にあたります。ちなみに☆と ○ が何を意味しているのかは分かりません。
それにしても閣議、大変ご苦労なことです。
26日に閣議があり、そこで取り上げられることを聞いたのは閣議予定日の約1ヵ月前。その時、寄付先の事務担当の方から言われたのは「閣議の前の週に存命であることを確認する」とのことでした。この手の授与は「死と隣り合わせ」。別に危険がすぐ横にある、というのはなく、正しくは高齢者が多いため手続き中に亡くなってしまうことが多い、このためこのような確認が必要なようです。
*紺綬褒章?
そもそも紺綬褒章とは何でしょう。
勲章・褒章制度は 勲章 文化勲章 褒章 の3つに分けられます。
勲章はその下に細かい分類がありますが、文化勲章は大きな勲章のみです。褒章は春秋褒章、紺綬褒章、遺族追賞に分かれます。春秋褒章は年に2回しかありませんが、紺綬褒章は、実はほぼ毎月数十名が受けている褒章になります。
ではどんなことに対する褒章かというと
『公益のために私財(個人は500万円以上、団体は1,000万円以上)を寄附した者を対象とする』
とのことです。どのような差があるかについては
https://www8.cao.go.jp/shokun/shurui-juyotaisho-hosho.html
によると、見た目としては、褒章はほぼ同じ、リボンの色とバッジの色が異なるだけのようです。
*なんで紺綬褒章?
2024年の秋のことでした。離れて住んでいる母親が救急車で運ばれ緊急入院。消化器系の疾病で、高齢のため手術は見送ることに。死線をさまよった後、幸いにもこの世界にとどまることが出来ました。
その入院の第一報を聞いたときに、母親が生きているうちに母親を喜ばせることを自分は何かできないか、と考えました。その時頭にふと浮かんだのが寄付でした。どこかの資料で寄付をすると褒章を賜ることができると読んでいたのでした。
*蝸牛(かたつむり)の歩み
寄付希望先の団体に連絡を取り、その団体の会長と面会。話はとんとん拍子に進みました。しかし事務手続きは滞りがち。慣れていなかったのです。ただし会長からは最初の段階で、
「お話を頂いて調べてみました。時間がかかるようです。こんな書類が出ています。」
見せてもらったのは、必要書類の一覧と記入例。チェックリスト。そして【参考】としての業務連絡。この業務連絡のあて先は「各都道府県紺綬褒章ご担当者様」。発信者は「厚生労働省大臣官房人事課 栄典第二係長」。そこには、『内閣府への協議書類の提出期限は、寄付収納手続き完了日より起算して1年以内とされている』にも関わらず『提出期限を超過する案件が発生しました』と書かれていました。
どうもどこも慣れておらず滞りが起きやすい業務のようです。幸い、会長のおかげもあって、寄付先団体から『書類を府に送付しました』と連絡を貰ったのは、寄付をしてから3ヵ月以上経った年明けのことでした。
しばらくは連絡も無く、6月終わりに会長に進捗状況を伺うと、府から氏名の文字確認が最近あったとのことでした。ゆったりとした時の流れの中で業務は進んでいるようでした。
そして8月末、生存確認、閣議の日程を聞き、生存確認をして本日に至りました。
*手元にくるのはいつでしょう?
『それで、会長。実際の褒章はいつ頂けるのでしょうか』
『11月になると思います。これ私が東京まで行かないと頂くことができないようなんです。』
自身の褒章とは関係なく、文化勲章授与のニュースをテレビで見ていた時に思ったことがあります。
『皇居で陛下から授与されるのはすごいね。それにしても、衣装代、交通費・宿泊費は誰が出すのだろう。』
自分が出した結論は、自前。それはそうでしょう、上げるのだから取りに来なさい、ということでしょう。そして郵送や宅配便に載せることはできない代物ということかと思いました。
『所長、お願いします。内閣側の準備ができたら、速やかに頂いてきて下さい。』
直接申し上げても良いのですが、まだ申し上げていません。願いはいつ叶うのでしょうか。