⚫︎ |守護獣《ガーディアン》⚫︎
守護獣とは、星そのものを護るために生まれた生命体。善悪もなく、神出鬼没であり攻撃性はなく普段は姿を見せることもない。大地を流れる理力の根幹から自律的に生まれた意思ある理の防衛機構であるとされている。
⚫︎ |魔物懐柔《まものかいじゅう》⚫︎
ラピスが生まれつき有している特異な固有スキル。理力の波長を魔物と共鳴させ、敵意を鎮めて心を通わせることができる。これに近いものでは強制的に支配する「使役魔法」があるがそれとは異なり、相互の信頼と穏やかな理力同調によって絆を結ぶのが特徴。この力により、通常は敵対関係にある魔物であっても友好的に従わせることが可能で、スライムのスラチャビもこの力で仲間となった。
⚫︎ |癒しの雫《イアリス》⚫︎
水属性の初級回復魔法。掌に集めた理力を清き水へと変換し、対象の傷口や身体へ触れることで癒しの効果を発揮する。熟練者が使用すれば、複数人を同時に癒す範囲回復も可能である。【水の適性者】にとって最も基本かつ重要な魔法とされている。
⚫︎ |癒しの雨《イアレイン》⚫︎
水属性の上位回復魔法。使用者の理力を雨粒状に変換し、一定範囲へと降り注がせることで広域に癒しの効果を与える。小さな傷だけでなく、重度の外傷・毒・呪詛などにも浄化と再生の効力を発揮する。高い集中力と持続的な理力制御が必要なため、熟練した【水の適性者】のみが使用可能。発動時には淡い水光が空へ昇り、静かな雨音と共に癒しの気配が辺りを包むという。
⚫︎ |煌羽《こうう》⚫︎
ラピスが初めて習得した固有スキル。現時点で由来理力は不明。ラピスの背にある羽が光を放ちその光を見た生物に幻惑を見せる。その症状は様々な模様。ダメージは与えられないが混乱状態にすることで戦況を変えることが可能。
⚫︎ |理導杭《りどうこう》⚫︎
敵国ヴァルディアが独自に開発した|黒い霧《アビスマター》を抑制するための地中に打ち込む柱状の結晶体。理導杭開発のために|黒い霧《アビスマター》を採取する必要があり、その採取現場、もしくは開発途中の実験で数多くの犠牲者が出たといわれている。
本来の使用法としては1本だけでなく3本~7本で陣を構成して設置する。理導杭りどうこうの中には封印術式が組み込まれておりその術式を組むのに必要な鉱石は光の理力が宿っているという稀少な石だとされている。
⚫︎ |聖なる光域《ルミナ・サンクトゥム》⚫︎
光属性の上位結界魔法であり、理導院の残す記録にも残っている召喚魔導士が使っていたとされる「守護の極致」とも呼ばれる魔法。使用者の理力を聖域の光へと変換し、一定範囲にわたる結界を展開する。この結界内では外部からの攻撃や黒の力の干渉を大幅に無効化し、同時に味方の理力を安定化させる効果を持つ。強力な防御能力に加え、内部の空間は穏やかな光に満たされ、|黒い霧《アビスマター》や汚染された理力を浄化する特性を持つ。
発動時、フィオルの周囲には無数の光片が浮かび上がり、静かに旋回しながら聖域を形成する。その光景は“希望の盾”として語り継がれている。
⚫︎|聖焔降臨《ルミナ・インフェルノ》⚫︎
光と火、二つの理力を融合させた高位複合魔法。火の理力に適性したフィオルが突発的に編み出した攻撃魔法であり、彼の「守るために戦う」という信念が形となった一撃。
発動と同時に、天から光の柱が降り注ぎ、その中心に紅蓮の焔が重なる。純白の輝きと紅の炎が一体となり、触れるものすべての闇と穢れを焼き尽くす。
通常の火属性魔法とは異なり、破壊ではなく浄化の焔。として機能し、実体のある|黒い異形《アビスモーフ》にはもちろん、実体のない|黒い霧《アビスマター》にも絶大な効果を発揮する。
⚫︎ |二理魔導士《デュアロア・マグス》⚫︎
二つ以上の理力属性を同時に扱うことができる希少な魔導士の称号。理力の流れは本来一属性ごとに異なる波長を持ち、複数属性を操ることは人体構造上ほぼ不可能とされている。
しかし、ごく一部の者(百人に一人ほどの)は生来または特異な覚醒によって二属性を同調させる素質を持ち、その者を理導院では|二理魔導士《デュアロア・マグス》と記録していた。