『クロノスエラーZERO』第2話「百円の約束と、白銀の少女」の挿絵③です。
放課後、凛、美咲、千紗の三人が訪れた駅前の文房具店。
美咲が千紗へのプレゼントにウサギの消しゴムを選び、いつもの賑やかなやり取りが続くなか、千紗は鞄から小さなスケッチブックを取り出します。
そこには、お昼休みに話していた「三匹目のハムスター」の下書きがありました。
まだ描きかけだけれど、二人に見てもらいたい。
そんな千紗の控えめな願いが、思いがけない出会いへとつながります。
スケッチブックを開こうとした瞬間、鞄の持ち手が引っ掛かり、手元から落ちてしまうスケッチブック。
床に散らばった紙を慌てて拾おうとする千紗と、手を伸ばしかける凛。
けれど、その前に一枚の紙を拾い上げた人物がいました。
「……これ、あなたの?」
顔を上げた凛の前に立っていたのは、長い銀色の髪と、鮮やかな赤い瞳を持つ少女。
その人形のように整った美しさに、凛は思わず息を呑みます。
「わ、私のです! ありがとうございます!」
千紗の言葉に、少女は小さく頷き、拾った紙を差し出しました。
「はい」
「ありがとう……!」
千紗が両手で受け取った紙には、三匹のハムスター。
クレープを持つ子、本を読む子、そして小さなスケッチブックを抱えた、恥ずかしがり屋の子。
三人の友情を映したような小さな絵が、見知らぬ少女との最初の接点になったのです。
今回の挿絵では、文房具店で銀髪の少女が千紗に絵を手渡す瞬間と、その少女に思わず目を奪われる凛の姿を描いています。
中央で紙を受け取る千紗、静かに差し出す銀髪の少女、そして少し離れた場所から二人を見つめる凛。
賑やかな放課後のなかに生まれた、ほんの短い静かな時間。
やがて少女は、自らの名前を告げます。
「……白銀セラ」
何気ない親切から始まったこの出会いが、凛たちの日々に何をもたらすのか。
一枚の小さな絵がつないだ、白銀の少女との出会い。
それは、まだ誰も知らない物語の始まりでした。