第2章・第24節公開しました|魔力の蕾

柔らかな陽の下で、森だけがやけに遠い。
息が浅い。足が先に走ろうとする。

「真っ暗な中に吸い込まれて消えた」
その言葉が、喉の奥に刺さったまま抜けない。

呼吸を整える暇もなく、エライアスは踏み込む。
声は落ち着いているのに、視線だけが鋭い。

遅い。何もかもが遅い。
境界は黙って、今もただそこに“在る”。
——踏み出した瞬間、世界が白く弾けた。

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