夏坂

編集プロダクションに務める村田遙平は、鬱屈とした日々を送る。なぜ、何のために、こんな思いをしてまで働く必要があるのか。現役編プロ社員による、お仕事(私)小説。

えん‐せい【厭世】 この世や人生は悪と苦にみちていて生きていることがつまらないものだと思うこと ―コトバンクより―

　青春は捨てた、勉強に捧げる。そう決めた俺の日常に、勉強以外の特筆すべき事柄など起きるはずがなかった。 　あの転校生が来るまでは。 　東京の名門女子高出身の転校生の登場で、俺の…