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作中予告ですが「SU式キャブレター」について

web検索すると「1940年代からスキナー・ユニオン社が開発した」と言う「自動車雑誌のweb記事が」トップに出てきますが「我々の歴史でも」擁護不能な大間違い……であることはフィクションである本作には関係ないですね。

本作では「スキナーが開発したこの方式のキャブレターは20世紀初頭から発売されていた」とします。

添付図は1908年式のスキナー社の「ユニオン」キャブレター。

1920年代に入って「スキナーズ・ユニオン」と言う社名に改め、これが略称「SU式」の由来となります。

社名変更していなかったなら「U式」になっていたのか、社名変更まではどう呼ばれていたのかは本作に関係ないので書きません。


オマケ:本作とは別のフィクションについて。

比べるのもおこがましいのですが大藪春彦氏の「汚れた英雄」にはSU式キャブレターを「トックリのように貧相で低性能」(大意)と主人公が評するシーンがあります。
SU式の過半は意図的に応答を鈍くしてイージードライブ対応させた製品として出荷されていましたので、前世紀末くらいまでのAT車みたいなイメージがありました。

実際にはグランエプルーヴ時代からF-1世界選手権時代まで、インジェクションが普及するまで高応答性仕様が広く使われましたが「汚れた英雄」の作中には不要な話なので大藪春彦氏が削ったのかと思います。

なぜに「汚れた英雄」に言及するかと言えば。
同作があまりに徹底した取材と、題材の大胆な取捨選択と設定に基づいて描かれているので「主人公以外は史実に近い」と思い込んで書いている記事がweb上に多数あるからです。

「T-33ジェット練習機の加速が現役バイクレーサーから見てさえ鋭い」「操縦は楽」と言う、作品を面白くするための絶妙の設定を「事実」と思い込んでいる人さえいます。

「気にせず読者と自分を信用して書くべき」ですが、つい先日にもweb検索上位に出てくる話をコピペして感想欄に書かれたばかりなので多少神経質になっています。

ご容赦ください。

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