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音の順番を、忘れられますように

夜は、音を遅らせる。
光のあとに揺れが来て、
最後に、取り返しのつかない音が落ちる。

それでも朝は来る。
壊れた街にも、
名前を呼ぶ声にも。

誰も最初から憎んでいなかった。
ただ守りたかった。
隣にある、小さなぬくもりを。

正しさは旗の形をしていない。
国の色もしていない。
正しさは、手のひらの重さをしている。

水を渡す手。
パンを割る手。
離さない手。

撃つ理由があっても、
泣く理由が消えるわけじゃない。

だから願う。

勝ちたいとは願わない。
負けさせたいとも願わない。

ただ、
明日も誰かが
「おはよう」と言えますように。

この世界がこれ以上、
音の順番を覚えなくてすみますように。

――

あなたの5分をください。

https://kakuyomu.jp/works/822139844860670806

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