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💞「造り酒屋の女将」、「よこはま物語 Ⅳ½ Ⅱ」の「雅子編2」の中の挿話を短編にしてみました。

🔵💞「造り酒屋の女将」、https://bit.ly/4qyCmKu
 これで、ほんまにおしまいなんやな……もう、交わらへんねん、うちらは。
 造り酒屋の女将
 https://x.gd/iYNjR

「よこはま物語 Ⅳ½ Ⅱ、ヒメたちとのエピソード」の「雅子編2」(https://x.gd/nSLzt)の中の挿話を短編にしてみました。

 ここや、この家が、うちの|終《つい》の住まいになるやろ家やと思う。

 東京から帰ってきた十一月末。まさに酒の仕込みが始まる時期や。婚家の酒蔵では、六人の杜氏さんが能登からやってきて酒造り担ってて、シーズン中は婚家が彼らの生活の場となる。

 うちは唸った。こりゃあ、花嫁修業とか言うてられへんやん?義母は末期ガンで入院してて、その世話もある。着替え病院に持ってかなあかん。杜氏さんたちのお世話、仕込みの手配もある。婚家の手が足りへん。

 うちは亭主になるタケルと義父に言うた。「この仕込みの時期に、齋藤家の女将さんがおらんとあかんです。結納して、婚約、結婚式、入籍なんて順追ってられへんやろ?そんなもん、酒の仕込み終わる来年にしましょ。タケル、うちで良ければ明日にでも入籍して。うちが拙いながら、齋藤家の女将やらさせていただきます」って強引に宣言した。

 タケルも義父も義母も、うちのパパとママもお披露目やとかグズグズ言うてるけど、うちを東京から連れ帰ったんはあなた方やろ?やるからには徹底してうちやります!って押し切った。

 翌日、入籍。うちは小森雅子から齋藤雅子になった。最低限のご近所と取引先に挨拶に行った。事情が事情やさかいみんな納得してくれた。入籍したその日に、うちはタケルの部屋に移った。女将さんとしてオーソライズされるためには、入籍もさりながら、跡取りに抱かれなしょうがないやろ?

 杜氏さんたちも目を丸くしてた。突然、二十一才の小娘が入籍して、入院してる女将さんの代わりに、「不束者ですが、今日から齋藤家の嫁となりました雅子です。義母に成り代わり、今日から女将務めさせていただきます。よろしくお願いいたします」なんて一方的に宣言して、女将さん業始めたんやさかい。

 何もかにも手探りやった。今まで義妹手伝ってくれてる近所の奥さんにお聞きしながらお手伝いするしかなかった。

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