タイプライターの音が、まるで銃声のようにコンクリートの壁に反響し、部屋の静寂を切り裂く。
「クルツシュタット 1203 移送 ― 再定住施設
シャフトドルフ 2404 残留人員なし ― 処理完了
ヴィーバーベルク 432 移送 ― 再定住施設」――チン
まるで小銃の薬莢が排出されるかのように、紙の行が変わる。
もしかすると、このタイプライターのレバーは銃よりも残酷なのかもしれない。
――けれど、そんな思考は、私の白い頭の中では不要なノイズに過ぎない。
狂ってしまいそうなほどに美しいこの世界に生まれて、十七年。
まだ身長も150センチに届かない小柄な少女が、帝国大学を卒業し、この仕事を始めてから五ヶ月。
……その頃からだろうか。
書類の上で踊る数字たちが、時折、私を睨みつけてくるように感じる。
100kmだろか。いや、400kmかも知らない。
遠くから聞こえてくる怨嗟の声――呪いのような声が、私を責め立てるように押し寄せる。
満ち潮の波のように、私の思考へと流れ込もうとするそれらを、
私は死海の果ての塩のように、ゆっくりと流していく。
そうして、塩気を含んだ海水のように流れていく一日を、
銀髪の少女、セリーネは過ごしている。
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はじめまして。しのぎです。
初投稿です。
よろしくお願いします。