「富土原さん、何か考えがあるのね?」ちえは尋ねた。
『敵はこっちが急ぐと反応する。でもゆっくり過ぎてもダメ。どこかに反応しにくい速度 があるはず。速い方がエンジン音は小さい』
「敵が私たちの状態を把握しているということね。最適な速度は?」
『それはそっちで考えてよ! 私は何となくで言っている。でも、実際に操縦しているのは私。敵の動きも見てるし。だから、よく分かる。細かいことはそっちできちんと調べて、それで私に指示して!』
りかの強い口調だった。
『それと制限速度を解除させて』
りかの言葉に作戦室がざわめく。その場の全員が顔を見合わせ、無理だと戸惑いの言葉を吐く。
『めんどくさい作業でもこっちでやる。速い速度でも安定して走行させるから!』
「富士原さん……」ちえがつぶやく。
***
イラストは犬神影空様(XのID @kagesorawanko)に依頼させていただき、作成いただきました。