これは、半年ほど前に別の投稿サイトに載せていたものを加筆修正した上で、こちらで連載しました。
この場では、そこに書いたあとがきの一部をコピペしておこうと思います。
「 元ネタというか、モチーフは僕の元彼女です。
後から知らされたのですが彼女はガンでした。
厳密にいえば、いちおうの治療を終えて5年間寛解を待つ身でした。
それで検査入院らしきものもあったようですが、遠距離で基本メールのやり取りばかりだったので真相は分かりません。
その入院のさなかに彼女との連絡が突然途切れました。
メールも電話も返信なしです。
彼女の最後のメールが「怖いよ〜」でした。
よって、彼女に何があったのか分かりません。
まさか治療がうまくいっていないのを彼女が隠していたのかも、とか思いもしました。
あるいは、近場に彼女に思いを寄せる男性がいて、そちらとうまく行き始めたのかもしれません。
それ以前に、僕は年3日くらいしか休めない職場でやっと取れそうだった日で会う約束を取り付けたのですが、それを彼女が忘れていて会えなかったことがありました。
それから僕は他の男性の影を感じてしまったのもあり、そう思ったのです。
ただ、その約束をすっぽかしたあと、さらに僕の誕生日も忘れたわりには、その1週間後に電話で話したときは「また電話で話そうね」と彼女が言っていたので、本当に真意が見えずじまいです。
さよならが言えなかった別れが、やはりずっと胸につかえていたのですが、それが彼女の病によるもののせいだったとしたら、どうすれば良かったのか、僕は長年悩み続けていました。
それでようやく先日になって、あの日には遡れないわけだから、今の自分に彼女のためにできることといえば、ただ「彼女を忘れないこと」だと思い当たりました。
僕は「忘れない」というワンワード、ワンフレーズを何が何でも書き残したくなり、このような物語を綴ることにしました。
これでやっと彼女にさよならが言えた気がします。
彼女はガンであることを打ち明けたとき、僕との交際を終わらせようとしたことがあります。
「今あいにいきます」という恋愛小説にも似たシーンがありましたね。
もうこれ以上自分のことを好きにならないで、みたいな台詞があったように思います。
それも本作に入れようとしましたが、話の流れでやめました。
でも、そういう思いって重い病気をしていると湧いてくるものみたいですね。
いつか、そういうシーンも、今後の作品で書くかもしれません。
もし、自分の大切な人がいなくなって無力感に襲われたら、やはりその人のことを忘れないでいる、そのことを思い出してもらえると、少しは気持ちが楽になるし、大切な人をずっと心のそばに置いておけるかもしれないですね。
まさに、自分が生きているかぎり、その人も生きていることになる。そういう感覚です。
こちらも読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。
おかげさまで、僕はなお晴れやかな気分になりました。
それでは、今後も皆さんに良い読書体験があるよう祈っています。
どうぞ、お元気で。
悠真
20241011 」
コピペは以上です。
連載時は、その投稿サイト(エブリスタ)でもこちらと同じくたくさん読まれたわけではないのですが、エブリスタの方は完結ブーストがかかって、最終的には僕の中編ないし長編作品の中では非常によく読まれた作品となりました。
さすがにカクヨムは読者の獲得には難しさを感じているので、未だに軸足はエブリスタにありますが、こちらのフォーマットは原稿が書きやすいですよね。
あと男性読者は、こちらの方が多そうなイメージで、僕の感性がゆくゆくは理解や評価されやすくなるかもしれません。
それぞれに良さがあるので、できあがった作品しだいで発表の場を選びたいと思います。
それでは僕は就活の真っ只中となったのでマイペースに磨きかかっていきますが、今後ともよろしくお願いします。
追記
ちなみにこの画像は、エブリスタでの表紙です。
フリー画像で見つけてきました。
ちょっと顔色が青白くて、なんとなく愛嬌がありそうなモデルさんで奏絵のイメージに近いので利用しました。
