岸和田の古い神社に宿る、忘れられた神様・ムサシ。
休みのたびに訪れる人間と、祠の前で交わされる、たわいもない言葉たち。
特別な力も、派手な奇跡も、何もない。それでも、ただそこにいることが、誰かの何かをほぐしていく。
日常の片隅で静かに芽生える、孤独と孤独が触れ合う物語。「休みの門」の第二話を投稿しました。
今回の主人公は、長年だんじり祭りの曳行責任者として祭りを支えてきた六十四歳の男・中西徹。
祭りの意義が変わっていく中で、誰にも言えなかった「悲しさ」を抱えたまま、それでも向かう先を見つけていく物語です。
第一話「休みの門」とは独立して読めますが、同じ神社・同じ神様の話です。よろしければ第一話もあわせてお読みいただけると嬉しいです。
「休みの門」シリーズの第三話を投稿しました。
今回の主人公は、父がだんじりの大屋根で踊る姿に憧れながら、青年団の頃に祭りを離れてしまった三十八歳の男・安井亮。
怒りではなく、自分への後悔を抱えたまま毎年九月をやり過ごしてきた男が、忘れられた神様との対話の中で、少しずつ何かを手放していく物語です。
第一話・第二話とは独立して読めますが、同じ神社・同じ神様の話です。シリーズを通して読んでいただけると、それぞれの物語が少し違う色で見えてくるかもしれません。
「休みの門」シリーズの第四話、最終話を投稿しました。
今回の主人公は、シリーズで唯一「傷のない人間」として登場する三十七歳の女性・森田さやか。悩みも後悔も抱えていない。ただ、祭りが好きなだけ。
でも、乗れなくても追いかけ続けてきた二十年には、ずっと声に出せなかった悔しさがありました。ムサシの前で初めて、その言葉が出てきます。
シリーズを通じて、悠・徹・亮・さやかの四人がそれぞれ違う形でムサシと出会い、違う場所へたどり着きました。最終話のさやかは、最初からそこにいた人間が、自分の生き方を改めて肯定する物語です。
全四話、お付き合いいただきありがとうございました。