これは、無限の輪廻を巡る男と、輪廻そのものの破壊を目指す男の、果てなき戦いの物語。
古代日本で戦死した大和は、死後、大日如来より断輪の対抗馬として見出され、永遠に輪廻を巡る宿命を課せられる。
時に人間として、時に虫や動物として転生し、そのたびに無残な死を繰り返す。彼の魂には、輪廻を断つことを説く男、断輪への尽きることのない憎悪が深く刻まれていた。
一方、百済から渡来した若き僧侶、慧輪。
彼は、仏の慈悲が弟子や信徒を救えなかった絶望から、「慈悲」や「戒律」では人は救えないと悟る。
彼は「輪廻もまた苦しみの鎖でしかない」と断じ、すべての魂を無間地獄へと導く「絶輪宗」を開いた。彼の目的は、輪廻の断絶の先に「完全なる無」に至ることだ。
二千年の時を超え、幾度となく激突する二人。
歴史の裏側で繰り広げられる、光と闇の果てなき戦いが今、始まる。
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