■第一話:人生の終焉に見つけた、一通の招待状
二〇二四年。コロナ禍による高熱に浮かされる中、六十三歳の僕(阿武久司)が目にしたのは、自身の死の予感と、四十五年間眠っていた「ある少女」の夢でした。
終活として整理し始めた写真の束。そこから現れたのは、色褪せた、しかし鮮烈な記憶を宿した彼女の姿でした。
■第二話:写真の奥に潜む「魂の震え」
デジタル補正された写真の中で、鮮明に蘇る少女・香苗の瞳。
その慈愛に満ちた眼差しに、僕は亡き母・志保の面影を重ねます。
「なぜ、僕は彼女をあんなにも懐かしく感じたのか?」
その答えを探すため、僕は四十五年前の記憶の扉を叩きます。
■第三話:旅立ち、そして宿命の邂逅
一九七九年。安定した体育教師への道を拒み、広告の世界を夢見て北西都市へ旅立った十九歳の僕。
東京に残した恋人との痛い失恋。その孤独を埋めるように訪れたバー「ファーストワゴン」で、僕は彼女と出会います。
黒髪のおかっぱ。当時熱中していた漫画『男組』のヒロイン・桜摩子に生き写しの少女。
それは、偶然を装った「宿命」の始まりでした。
【久遠遼より】
第三話でようやく、僕と香苗の「物理的な出逢い」が描かれました。
なぜ、失恋直後の僕の前に彼女が現れたのか。
なぜ、彼女は漫画のキャラクターのように僕の目に映ったのか。
ここから物語は、単なる恋愛小説を超えた「魂の再会(ツインレイ)」の領域へと足を踏み入れていきます。
第四話からは、いよいよ現在と過去が交錯し、物語が加速します。
まだの方は、ぜひこの機会に一九七九年の風を感じてみてください。