綺嬋

電子世界に生きている正真正銘の“バーチャル”な美少女Vtuberとして、姿を現したリア。 ただの設定かと思いきや、本当に電子世界で生きているのではないかと思わせるリアリティがあり…

カーネーションの花言葉

彼女と俺はツインテールで縛られている

　その声を聞いた瞬間、感動がこの身を包みました。 　そこそこの人数が一階に降りようとしている中で――ベビーカーを手にもつ女性が階段の前で立ち止まっていました。 　エスカレーターを…

拝啓、私はいま、猫の国にいます 　猫をかばって交通事故に遭ったＯＬ 和多々比三華　……通称ミケは、猫たちが暮らす異世界に転移していた。 　そこはまるで御伽の国だった。森にはキャ…

「世界電球」という全人類を幸福に導く装置のある世界。 そんな世界でなぜか「しあわせ」になれない二人は、世界電球を壊しに行くことを決意する。

誰にも知られないように、誰にも分からないように。 私の気持ちが、大切な想いが、消えて無くなってしまわないように。

本日、２０２２年２月２２日のスーパー猫の日ということで、猫にまつわる小説を書いてみました。不器用な彼女たちの大学生活の中での一幕、楽しんでいただけたら嬉しいです。

部活の合宿、薄暗い廊下で二人きり。 彼氏持ちのマネージャーと僕は、先生が見回りにくるまでの数分間、体を重ねた。

嫌いなのになぜか見てしまう。横暴なのにきれいで、怖いものなしみたいな同級生。これは、私が教室の片隅から眺めていた、岸本瑠千愛（きしもとるちあ）についての話。

半年前に会社を辞めた紅葉《もみじ》は、それまで行きつけだった洋食店『ほこほこ屋』が今日で閉店することを店先で突然知った。 ※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一…

盲目のテレパス能力者・夜見京子。 彼女はある日、クラスメイトのなかに自分を殺そうとしている者がいると知る。 しかし、心の声は聴こえても、誰が言ったのかがわからない。 「あな…

地震、火災、洪水、疫病などのあらゆる災害に一度も遭ったことのない村がある。 ジャーナリストの木田宮(きたみや)は、そのネタが真実かどうかを確かめるために、車を走らせてその村に向か…

夏ピッタリという理由だけで告白されてしまった夏志。 初対面なのにグイグイ距離を縮められるが、それでも悪い気はしなかった。 今までの自分の恋愛観をひっくり返してくる舞季の破天荒な恋…

世界最強のババアは、無実の罪で投獄された孫娘を助け出すため、わざと捕まり、監獄に侵入する。だがそこは、絶対に脱獄不能とされるア・ヴァシリ監獄であった。 カクヨムWeb小説短…

　わたしは酸化している。 　自分が酸化しているだなんて、恥ずかしくて誰にも言えなかった。 　家族も、友達の誰だって酸化していない。担任の教師だって、部活動のコーチだって酸化してい…

真夜中に目を覚ました主人公は追憶に絡みとられて妄想と対話を繰り返す。行き着く先で出会う人は誰。

戦争が激しくなると、魔女が現れ、戦争を終わらせる。 そういったおとぎ話があった。 そのおとぎ話が本当であればと願わずにはいられない悲惨な戦場に、『魔女』が現れた。 「戦争を終…

「描いてください、せんせい、わたしのことを」 はつ雪の便りをつれて古民家の宿に訪れたのは《裸婦画》だけを描く画家だった。 一重の瞳に潤んだ紅の唇、白練の和服を纏った綺麗な女流画家…

３年前に死んだはずの綾条あやのが目の前に現れて転生を勧めてきた。 え、いや、「死ね」ってこと？ でもどうやら彼女は俺に恩を感じていて、その恩返しをしたいだけらしい。 一度死んだ彼…

京都府警刑事部捜査一課の刑事、鴨土晴昭は憂鬱だった。 あの”小娘”に、また頼らなければならなくなったからだった。 しかし、つくづく腹立たしいことだが、探偵として優秀なのは確かなの…

ゴミ箱生まれの少女は、その出自から蔑まされて生きて来た。 努力しても報われず、同じ立場の人間からは努力を嫉妬され、行き場もなく這いまわるような生活。 そんな中でお互いを認め合える…

主にTwitterからの転載です。 ※2024/1/31更新：公募に応募するため、 「三題噺.029：ニコニコ、財布、暗黒」 「三題噺.071：亀、キス、自転車」 「三題噺.1…

広大な宇宙が秘める、神秘。それに匹敵するくらい、私の周りには不可解なものに溢れていた。 生まれたばかりの妹にばかり目を向けて、私をほったらす両親。 ろくに勉強をせず、ゲー…

音符が漂う海の上には、白と黒の鍵盤が並んでいた。 透明な青と濁った青が交わる線まで、鍵盤は続いている。この上を走って行ったら、どこに辿り着けるのだろう。 海の上にピアノの鍵盤が…

「４０日後、私達の地球に巨大隕石が衝突します」 　地球滅亡が迫るなか、主人公の陸斗（りくと）は、抜け殻のような毎日を過ごしていた。 　元々、学校にも行けてない。 　みんなに諦…

　美容院という場所ほど、話すことしかない場所はないと思う。 「いやー、クリスマスイブなんてやることないよねー」 「私は仕事していますけどね」 「それは本当に申し訳ない！」 　今日…

太陽が常時昇る『表の世界』。 それとは別に、常時太陽が昇らない『裏の世界』があるらしい。 二つの世界はほとんど交わることはないけれど、唯一、突如出現する扉で交わってしまう。

足音、車のエンジン音、カラスの鳴き声。草の匂い、魚の焼けた匂い、香水の香り。 体を包む熱、服がこすれ合う感触、肌を撫でる風。電柱を照り付ける夕日、長く伸びた影、 闇に染まっていく…

「嬉しい。私からも、よろしくお願いします」 　後に彼女となる女性から、頬を朱く染めながら言われるこの一言は、全人類にとって至高の時間と定義しても良いだろう。 　彼女は俺の好みドン…

わたしはブルージュで出会った風景に心を惹かれた。そして写真を撮った。 その写真とまったく同じ絵葉書が、なぜかお土産屋さんで売っていた。 衝動買いして買った絵葉書を、いろんな人に向…

　人生に劇的な出来事なんて無いと確信したのは――二十九歳の誕生日に、約七年付き合った彼氏に別れを告げられた時だった。 「ごめん、他に好きな人が出来た」 　その時の彼（現在は元彼）…

【カクヨムコン７受賞⛩KADOKAWAコミックニュータイプ様で漫画連載中】 一章　岩手県遠野市『マヨヒガあるいは座敷童子』 二章　東京都台東区浅草『浅茅ヶ原の鬼婆および動く骸骨』…

カクヨムWeb小説短編賞2021【短編小説部門】 　　　☆短編賞☆を受賞致しました　読み切りでコミカライズします！ （満月の晩に泉にいるのは鶴ばかり） それは誰もが幼い頃から繰…

僕は中学二年生の時、クラスの変わり者の女子から聖水だという水をもらった。ただではなく一万円で。 それから十年後。 僕は同窓会にやって来ていた。 彼女を一目見るために――――。 …

「ねえ、彩失症候群って知ってる？」 「なにそれ都市伝説だっけ？　たしか……色が見えなくなるって」 「色が見えなくなるだけじゃいらしいの。なんか、それと同時に〝能力〟に目覚めるんだ…

感染率100%、感染した人間の66.6%が死に、33.3%が死妖として生き返る死妖病が感染爆発を起こしてから半世紀以上。 戦役の避難民として人類最後の安全圏〈終局都市〉にやってき…

小説投稿サービスを通じてある男性と知り合う少女。 初めは素敵な作品を書く方だ、という尊敬から、次第に気持ちが変わっていく。 少女から乙女へ。そして乙女は現実に打ちのめされる。 悲…

「今晩あたり、狐が降るかとおもって」 工場に勤めて漫然と日常を過ごす《僕》は、寂れた峠にひとりたたずむ女を見掛けて、おもわず声を掛ける。 彼女はひとつに結わえた髪を揺らし、振りか…

それは夜になると時折、街を襲う。異層嵐、どこか違う世界から立ち現れて、人や物をさらっていく何か。 正体が見えないゆえに現実感のなかった災いは、彼女にとってみればもっと切実な戦いだ…

他サイトに挙げたもの等を纏めています

ある日、学者として研究に明け暮れる日々を送る女の元に友人が失踪したという知らせが届く。 彼女は突然行方不明になってしまった唯一の友人を研究のサンプルを捜すついでに捜しに行く事にす…

お詫び：作中で新型コロナウイルス感染症の流行やワクチン接種の進行状況に言及していますが、本作はフィクションであり、現実の組織と無関係です。 令和三年九月、高校二年生の男子・葦名…

戦う少女人形とその主人、そして2人が暮らす世界について。 おおよそ30話前後で完結予定です。1話3000文字をめどにしておりますが、多少前後します。 ※この小説は小説家にな…

　唐草史郎。堂上高校二年生。勉強とスポーツは中の上。極度の無口故、友達がいない。趣味は読書。好きな食べ物はハンバーグで、嫌いな食べ物はゴーヤチャンプルー。――所持している能力は、…

1話完結のSF掌編集です。 お好きな話を選んで、どうぞお読みください。

「何でこんな日に限って有給とっちまったんだろうな！」 　朝八時に会社のパソコンに向かい合いながら自宅で激昂した。 　十二月下旬という年度末に差し掛かる忙しい時期――月曜日に有給を…

10年間ずっとひとりで金庫番をしてきたロボットメイド。存在意義を求めて、彼女は自己複製に走る―――

あるとき、アスアトリの街が空襲に遭っていた。 あるとき、ラーク鉱山にドラゴンが住みついた。 あるとき、ミョンユン市に電脳犯罪者がいた。 あるとき、メルときみはふつうの高校生だった…

こういう話が投稿祭にはひとつは必要！ そう思って急ぎもう一作書きました。 これは、メルが一歩踏み出すまでの物語。 笑って、萌えて、最後にちょっと泣ける。そんなお話……になっ…